第捌夜『福太郎の不思議な日常』

ー集合墓地:あやかし屋ー

悠「ふあぁぁっ……」

福太郎「寝むそうやな」

悠「若干眠い…」

骨女『若干て言うのは焼かれる程度でありんす?』

恋「それは永眠コースじゃろ」

悠「晩飯食ってちょっと横になってテレビ見てたらウトウトしちゃって気が付いたら9:40分くらいまで寝ちゃう感じの寝むさ……」

福太郎「具体的やな」

悠「っで、そっから眼が冴えてオールしゃちう感じ」

福太郎「それパターン的に最悪のパターンやな」

悠「ぐぅぅぅ!」

絡新婦「寝るなッ!」
ベシッ!
スッ…
悠「ぐぅぅぅ!」

福太郎「寝ながら避けた」

恋「いや、おきとるじゃろ」

悠「ぐうぅぅ!ぐうぅぅぅ!」

絡新婦「そんな力強く寝息立てる奴が居るか!!」
ブンッ!ブンッ!
サッ!サッ!
悠「すぅっ!すぅぁっ!」

福太郎「めっゃええ動き」

恋「いや、気色悪いわ」

骨女『健康はよく食べることよく運動することよく眠ることってことですね~』

恋「そうかも知れんがアレは違うからな」

悠「駄目だ!」
ガパッ

福太郎「ズズッ……お茶もらう?」

悠「いや、天ぷら定食ひとつ」

恋「なんでじゃ?!」

悠「とりあえず何か食って目を覚ます」

骨女『オーダー天ぷら定食ひとつ~』

ろくろっ首「はーい」

抜け首「あいよー」

福太郎「恋ちゃんはええの?」

恋「団子でまにあっとる」

悠「飯食えよ」

恋「なんでじゃ」

悠「団子とかはうちでも食えるだろ」

骨女『そうなんし?』

福太郎「彼、一応茶屋の主人」

絡新婦「無理だろ?!」

悠「その無理はどういう意味の無理だ」

絡新婦「まず人に何かを提供できるタイプじゃなかろーが!」

悠「ブラックコーヒー飲ませて振りまわしてやろーか」

絡新婦「やめいっ!」

恋「なんでコーヒー?」

福太郎「蜘蛛はコーヒーで酔っぱらうんよ」

恋「酔わせてなにするきじゃい!!」

悠「なんもしねーよ!」

福太郎「あぁ、そっちに引火したか」

骨女『いやー、モテますねぇ。』

福太郎「せやねー。あの辺りは大したもんやと思うわ」

骨女『私はどっちかというと福さん派ですけどね』

福太郎「そらどーも」

骨女『クールですねぇ。骨身に沁みますよー』

福太郎「リアル骨身やなぁ」
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