第捌夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「最近、面白いことがあってな」

福太郎「へー、どんなこと?」

悠「がりゅーを撫でると……キラキラする」

福太郎「……キラキラ。」

悠「うん、キラキラ」

福太郎「それは……あれ、がりゅーちゃんの笑顔がキラキラひかっとるみたいな比喩?」

悠「いや、普通に発光する」

福太郎「ほう」

クロ「いや、「ほう…」じゃないだろ」

福太郎「いや、まぁ、がりゅーちゃんなら……不思議はないかなって」

恋「いや、不思議じゃろ」

悠「妖怪のお前らが不思議不思議いうなよ」

恋「妖怪以上にバケモノなお前がなにをいう」

悠「おれの!どこが!バケモノ!だっ!」
バッ!バッ!バッ!バッ!

福太郎「おー、スゲー」

お仙『ブリッジ→逆立ち→足を大きく開いて→ドヤ顔』

恋「その一連の行動に何の意味があった!!」

悠「人間らしさのアピールかな」

クロ「気色悪さしか伝わらねぇよ」

悠「これが妖怪と人間の感性の違いか……」

クロ「お前が言うと全妖怪と全人間に失礼でしかないと思う」

恋「まったくじゃな」

悠「ロマサガしてたのか?」

福太郎「んっ、客人がな。」

クロ「さらっと無視してんじゃねーよ!」

悠「無視はしてない。」

福太郎「なにしたん?」

悠「話を強制的に終わらせただけだ」

恋「性質が悪いの」

悠「へへっ」

恋「褒めておらんからな!」

悠「おれも褒められたつもりはない」

福太郎「なんで笑ったん?」

悠「勝てるかなって」

恋「お前は何と戦かっとるんだ…」

悠「色んなモノと……かな」

クロ「滅びろ」

悠「駄目駄目。おれが滅びたら泣くから」

クロ「誰がだよ!」

悠「がりゅー」

福太郎「そら泣くな。死ぬほど泣くと思うわ」

悠「だろ?多分手足の一本くらいなら失っても泣かないと思うけど、死んだらきっと泣くよなぁ……」

恋「手足の一本は良いのか…」

悠「良いわけではないけど……がりゅーはそういうのは呑みこめれるタイプだ。」

福太郎「飲みこめるだけで耐えるんは辛いタイプちゃうかな」

悠「マジで?!」

恋「いや、そういうのがわかっとらんのはダメじゃろ」

悠「……がりゅーは単純で複雑だからなぁ」

クロ「どっちだよ」

悠「だから単純で複雑なんだよ。トコロテン頭なようで、いっじょうに考えが深かったり」

福太郎「逆にそれってもの凄く賢いんとちゃう?」

悠「考え及ばないって意味ならそうかもな……」
74/100ページ
スキ