第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

すっきー『紫の鏡って知ってます?って……聞いてくださいっス』

福太郎「悠に?」

すっきー『はい』

福太郎「悠」

悠「なんだ?告白か?返事はイエスだ」

福太郎「紫の鏡ってしっとる?」

悠「紫の鏡って……おいおい、福ちゃん、そいつはどーいうつもりだ」

メリー「二十歳になるまで覚えてたら死んじゃってアレ?」

ようよう「地方によって効果が違うらしいぜ」

悠「おれが知ってるのはその二十歳まで覚えてたら死ぬ系だ」

福太郎「悠は死にそうにないけどな」

悠「だからって酷いじゃないか」

福太郎「すっきーが聞けいうたんよ」

悠「そんなにおれの事が嫌いか……」

すっきー『そんなちょっとした冗談じゃないですか』

福太郎「ちょっとした冗談やって」

悠「詫びにおっぱい見せろ」

すっきー『嫌っすよ!!』

福太郎「ってか、見せても悠は見えんのやから、俺がお得なだけやない?」

悠「あー、それもそうだな」

すっきー『ほっ……』

悠「じゃあ、吸わせろ」

すっきー『悪化してるっ!!』

福太郎「らしいんやけどどう?」

すっきー『イエスなんていうわけないでしょーがっ!!』

悠「まぁ、ただこれも仮にピンポイントで吸えてもおれは無味無臭の無感だから何にも楽しくないんだよな」

すっきー『偶然なのか、目線がこっち向いてるのが怖いっす……。』

福太郎「なんか回避方法あったんちゃう?」

すっきー『黄金のじゃがいもで相殺』

福太郎「悠、黄金のジャガイモってしっとる?」

悠「ルーンファクトリーのアイテムか?」

すっきー『知らない……じゃあ白い鏡』

福太郎「白い鏡は?」

悠「知らん」

ようよう「普段意味のわからないことは知ってるのにここぞって時に知らないんだな」

悠「ほむ……いや、ふむ、こうなると忘れるのが一番手っとり早そうだな」

福太郎「どーやって?」

悠「バットか……鉄アレイだな」

福太郎「その鈍器で何するかは聞かんけど……記憶以前に大事なもんが飛んで行かん?」

悠「これまでに何度となりと殴られてきたが生きてる」

メリー「それだけ生命力あったら死なないんじゃない?」

福太郎「俺もそんな気がしてきた」

悠「まぁ、たぶん明日には忘れてるだろうし、おれは揺光と恋の加護で呪術的なものでは死なんだろう」

福太郎「神様みたいな狐様と幸運の座敷童子やもんな」

悠「まぁ……二十歳になる前に死ぬ可能性は多々あるけど……。」

福太郎「そうなん?」

悠「とある名医に今のような生活してたら早死にすると言われてる」

福太郎「そっか……先に逝ったら俺の事をまっとってな。」

悠「まさか、そんな風に返してくるとは思わなかった。」

福太郎「あはは、死後でも悠が先おったらなんや心強いゃん」

悠「おいおい、先死ぬ予定にしてくれんなよ」
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