第捌夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

輝夜「さて、ゲームしましょう」

クロ「やらねーよ」

輝夜「はぁ?!なんでよ!!」

クロ「なんでって、もう寝るからだよ」

メリー「すぅすぅ」

福太郎「メリーちゃんはもうお休み中やね。」

輝夜「ええっ?!さっきまで起きてたじゃない」

福太郎「珍しいんですよ?」

お仙『普段は十時には寝てるもんナ』

クロ「コイツって基本早寝早起きなんだよ」

輝夜「まったく、私が来てるって言うのに!」

クロ「いや、お前がいるからなんなんだよ」

輝夜「お姫様よ?」

クロ「殴っていいか?」

福太郎「んー……」

輝夜「即否定しなさいよ!!」

福太郎「駄目っぽいわ」

クロ「チッ」

輝夜「野蛮よ!あんた達」

お仙『はい、姫さマ』

輝夜「なに。動く死体」

お仙『噛みつくのは有りですカ?』

輝夜「無しに決まってるでしょ?!何考えてるの!」

お仙『姫の血はどんな味か気になっタ』

福太郎「この娘、キョンシーなもんで」

輝夜「なに、毎日血を吸わせてるの?」

福太郎「全然」

クロ「そもそもコイツが血を吸ってるの見たことねーな。」

お仙『吸っちゃ駄目って言われてるかラ』

輝夜「じゃあ、なんで私の血を吸おうとしたのよ!」

お仙『こっちの人じゃないからいいかなっテ』

福太郎「ギリギリやな」

輝夜「アウトよ!アウト!ギリギリでもなくぶっちぎりでアウトよ!」

お仙『……チッ』

輝夜「ブリリアントドラゴンバレットブチ込んでやろうかしら……」

福太郎「家が壊れるようなことはご遠慮ください」

輝夜「まず客人の血を吸おうとすることを止めなさいよ」

福太郎「アカンよ~」

お仙『ほーイ』

輝夜「……軽いわね」

クロ「こんなもんだろ」

輝夜「ああもう。いいからゲームさせなさいよ!」

福太郎「ほな、これなんかどうです?」
スッ
輝夜「なにこれ。今まで貸してくれたゲーム機よりちゃちいわね。」

福太郎「まぁまぁ、このゲームのルールはフィールドに上から縦一列3個1組で落ちてくる宝石を方向レバーで左右に操作して積み上げ、同じ色の宝石を縦・横・斜めに3個以上そろえると消すことができす。」

輝夜「ふんふん」

福太郎「ほんで、宝石は固定されるまではボタン操作で順序を入れ替えることが可能になとるんで、フィールド最上段の宝石出現位置にまで宝石が積み上がるとゲームオーバーです」

輝夜「なによ簡単じゃない。こんなものは私にとってはお茶の子さいさいよ。」

福太郎「ほんなら頑張ってください」

輝夜「見てなさいよ~」

クロ「……なぁ、アレって」

福太郎「コラムス」

クロ「いや、そうじゃなくてテトリスとかと同じで終わりないよな。」

福太郎「多分、朝位まではハマっててくれるやろ」
67/100ページ
スキ