第捌夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「そんで妖怪専門のお店始めたらしいで」

クロ「へー、妖怪専門ねぇ」

メリー「いってみたーい」

福太郎「行くんやったら夕方からやね。」

お仙『いい店カ?』

福太郎「綺麗どころは多いよ」

お仙『だってサ』
ポンッ
クロ「なんで私の肩を叩いた?」

お仙『綺麗どころ好きじゃン』

クロ「そんな趣味ねーよ!」

福太郎「ありか無しでいうたら……有りちゃうかな」

クロ「黙ってろ」

すっきー『でも、妖怪専門店なのに福太郎さん、よく入れたっすね。』

福太郎「専門いうても見える人はふつーに入ってええっぽかったし」

クロ「ふーん、っで?」

福太郎「で?」

クロ「メニューとか酒の種類とか」

福太郎「メニューはまだ少なかったな、確か焼き魚定食、天ぷら定食、良く分からない物定食、よくわからないものの揚げものとか」

クロ「後半が意味分かんないんだが?」

福太郎「よくわからん物やしね」

クロ「……その店、遅かれ早かれ潰れるだろ」

福太郎「そやろか。俺は行きつけにする気やけど」

クロ「やめろよ…」

お仙『私も行きたイ。よく分からないものを揚げたもの食べたイ』

クロ「なんでそんなもの食いたいんだよ!」

お仙『めっちゃ美味いかもしれないだロ』

クロ「めっちゃマズイ確率のが高いだろ!」

メリー「甘いものとかはないの?」

福太郎「んー、次行ったとききいといてみるわ」

メリー「うん」

すっきー『でも、みなさんすぐに働きだして凄いっすね。』

福太郎「俺としては店主よりもドルを頑張ってほしかったなぁ」

クロ「骨のアイドルはねーだろ」

福太郎「新しいやん」

クロ「新しい以前の問題だ」

お仙『つまり……私の出番だナ!』

クロ「引っ込んでろ」

お仙『私の美声に酔いナ。アァーアーァーアー!』
ゴゴっ

メリー「音程が凄い……」

福太郎「音程の方から来いパターンやね。」

すっきー『ていうか今ちょっと揺れなかったすか?』

クロ「やめい!」

お仙『なら踊の方でどウ?』
ギッギギ……ギッギギ……

メリー「全体的に硬い…」

福太郎「ロボットダンス?」

すっきー『ダンス以前に関節が曲がってないっす』

クロ「どっかの骨がへし折れる前にやめろ」

お仙『あとこの美貌!!』

クロ「言ってて悲しくないかお前……?」

メリー「色は白いよね。」

福太郎「んっ、血の気の引いた顔面蒼白っていみでやけどね」

すっきー『表情が……』

お仙『完璧だよナ!』

クロ「どこがだよ!」
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