ｰ集合墓地:あやかし屋ｰ

福太郎「宙吊りになる経験てなかなかレアちゃう?」

悠「いや、最近ニンジャみたいなのに首つりさせられたり宙づりにさせられたりをされたからそんなにレアでもないわ」
ぷらんぷらん

福太郎「悠はなにと闘っとるん?」

悠「世界の歪みかな」

福太郎「俺がガンダムや」

抜け首「ちょっとなんで、まだ店を開けとらんのにオーダーはいるねん。って……あっ!いつかの二人!」

ろくろっ首「あ～どっかで聞いた声やと思ったらやっぱりゆー君と福君や」

福太郎「んっ、首姉妹」

悠「お前らもここで働いてたのか」
ぷらんぷらん

ろくろっ首「そやで～うちらここの厨房で働いてんねん。えへへ～知り合いが来てくれてめっちゃ嬉しいわ～。」
うにょうにょ

抜け首「こんガキ来ても嬉しないわ!」
ふよふよ

ろくろっ首「も～抜けちゃんおもらしさせられたからてそないに恨まんでもええやん～」
うにょうにょ

抜け首「あっ、アホ!皆の前でそれ言いなや!」

二口女「だから飲んでるのに尿話しは……」

福太郎「りんごジュースやないしええんとちゃいます?」

二口女「やめないか」

福太郎「しかし、糸玉に吊るされた人に首が二つ寄っていっとる絵はシュールやな」

骨女「普通にホラーですね」

悠「ええい、ひとの前をうねうね、ふよふよとじっとしろ!かぷっ!」

ろくろっ首「せやから首よわいてふにゃ～!」

こちょこちょ!
抜け首「あ、アゴ撫でたらあかん～!」

骨女「おお……我が店の腕利き料理姉妹がこうもあっさりと」

二口女「だが厨房係が倒れては、料理出来ないんじゃないかね?」

福太郎「そらそうやな。おーい、お二人さん平気……では、ないな」

ひゅぉぉっ!
悠「おう?!」

絡新婦「やはり貴様、妖怪の敵……いやさ女の敵!直接死ね!セクハラ男!」

悠「いやいや、今のは向こうがまとわりついてきたじゃん。ってか、さっきから沸点低いなアンタ」

絡新婦「このまま絞め殺してくれる!」

悠「仕方ない、実力で黙らせるか」

二口女「黙って見ていていいのかい?」

福太郎「んー、危なぁなりそうやったらそれなりに止めるよ。悠を」

悠「むーーーっふーーーー!」
ズルッ!

絡新婦「っっ……!?」

悠「縄抜け奥義。筋肉を……一気に絞めて、空気を全部吐き出して出来た隙間から抜けだす!」

福太郎「そのまんまやな。」

二口女「いやいや、人間業じゃないよね、いまの」

悠「そしてぇ～これだけ密着しておけば糸の攻撃もできまい。おとなしくしているのだな蜘蛛女よ」
ずるぅぅっ
絡新婦「ぎゃああああああ!?」

二口女「キミ、彼はなんという妖怪だったかね?」

福太郎「アレでも人間にんです」

悠「ふぇっへっへ。女にひっつくのは楽しいのぉ」
ぬるぅ～
ずるぅ～
絡新婦「うあ゛～ん。も～ヨメにいけーん」

悠「えぇっ……」

骨女「泣ーかした～泣ーかした～。」