第捌夜『福太郎の不思議な日常』

ー集合墓地:あやかし屋ー

福太郎「せやけど、墓ドルはは結局やめたん?」

骨女「あのあとクルクルと事情が回転しまして茶屋を営むことになりました、エヘ」

福太郎「んー、せやけど墓場でお店なぁ。」

悠「そういや、開店前っぽかったのによかったのか?」

骨女「妖怪向けゆえ本当は夕暮れからの営業なんですが……細かいことはいいのです。まだメニューは少ないですがよかったら食べていってくださいなんし。」

・焼き魚定食200円
・天ぷら定食200円
・日替わり定食150円
・正体不明定食50円
・よくわからないものを油で揚げたもの30円

悠「や、安い!」

福太郎「最後ふたつを頼む勇気が欲しいなぁ」

悠「でもほら、キルラキルでも良く分からないものを細かく刻んでジャガイモのと混ぜて油であげたら美味しいって言ってたしきっと味はいいって」

福太郎「じゃあ、悠頼む?」

悠「おれは天ぷら定食にしようかな」

「あああぁぁあぁぁーーー!!」

福太郎「ビックリした…」

悠「なんだ?」

キツそうな女「きききき、貴様っ!!どどどうしてここにいるのだ!」

福太郎「悠、こちらの美人さんと知り合い?」

悠「いや、知らないな。美人だったら視界の端にちょっことでも映ったら忘れるはずないから。確実に知らない」

骨女「並々ならぬスケベぇ魂なんし。」

福太郎「こんひとは?」

骨女「給仕のジョロちゃんです。絡新婦(じょろうぐも)という妖怪なんですよ。」

福太郎「ジョロウグモ……んっ、もしかして以前、滝つぼで会ったひと?俺らからは見えへんかったけど」

悠「ああ、あの時のか」

絡新婦「貴様、よくもあのときやってくれたなぁぁ!」

悠「やってくれたもなにも、アレはお前の自業自得だろ」

絡新婦「黙れ!きき、貴様のせいで綺麗な水しか飲まないわらわの口に入ったんだぞ!ウ○コが!」

悠「まぁまぁ事情は知らないけど○ンコの恨みは水に流してくれ。」

福太郎「上手い!」

絡新婦「やかましい!止めなかった貴様も同罪ぞ!!」

二口女「ひとが物を食べてるときにそういう言葉の連呼は止めて頂きたいのだけど…」

絡新婦「くっ、貴様。今回は女将の顔に免じて怒りをこらえてやる。しかし覚えておけ、つねにわらわの堪忍袋は爆裂寸前だということを!間接的に死ね!」

悠「久々だなこんなストレートに怒りをぶつけられたのは」

福太郎「間接的に死ねってストレートなんか遠まわしなんかわからんね。」

絡新婦「ふんっ!」

悠「あれ?お前なんで背中のところに切れ目が空いてるんだ?こんなところにに隙間があったら開いちゃうだろ」
グィッ、ぴらっ♪

絡新婦「貴様ァァっ!」

ズボォッ!×4と音を立てて四本の蜘蛛の脚が伸びたかと思うと脚の先端から糸が吹きだし悠をがんじ絡めにして空中に釣り上げた。

悠「ああ、なるほど。その為に開いてるんだなよくわかった。」

福太郎「とりあえず、焼き魚定食と天ぷら定食一つずつ。」

骨女「はいよ~焼き魚定食と天ぷら定食一丁~。」

悠「あれ、おれ放置?スッゲー糸巻きつけられてるんだけど」
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