第捌夜『福太郎の不思議な日常』
ー夢見長屋近く:集合墓地ー
福太郎「ふあぁ……すっかり春めいとるなぁ」
悠「あったかいことはいいことだ」
福太郎「せやなー、花も咲いてきとるし」
悠「その花っていうのは露出の高い格好の女の子って意味?」
福太郎「そんな回りくどい隠語は使わんかな」
悠「花みたいな女の子とかいないかな」
福太郎「アラネウス的な?」
悠「花みたいな女の子っていうか花のモンスターだな」
福太郎「状態異常攻撃バンバン使ってくるで」
悠「普通に怖いな」
福太郎「味方だったら心強いんやけどね」
悠「ところで福ちゃん」
福太郎「なに?」
悠「なんか見慣れない建物がある」
福太郎「見慣れへん建物ってここ集合墓地やで……って、あるなぁ」
ー集合墓地:あやかし屋ー
骨女『おや、もうここを聞きつけたのですね。福太郎さん。お久しぶりでありんす。』
福太郎「おや、いつぞやの骨子ちゃん。」
悠「これが例の骨っ子か。確かに淡白で眠たそうな表情してる。でも、骨じゃないじゃん」
福太郎「手とか見て」
悠「あ、骨だ」
福太郎「顔だけ肉着けとるん?」
骨女『見えてるところだけ付けといたらいいでしょ?』
カラカラ
悠「動くたびに骨のなる音がしてるがな。しかし、着物はグーだな。どこぞの詐欺わらしが着てるミニスカピンクの水仕事風着物じゃなくてこの黒のシックな感じがいい」
福太郎「それ、恋ちゃんが聞いたらカムチャッカファイヤーやろね。」
骨女『それにしてもあちきの姿を見ても驚かないとはアナタも歪業のかたですか?』
悠「いや、性格は歪んでるとよく言われる。まったく、そんなことはないのに」
福太郎「真実は闇の中」
骨女『そうですかぁ。それにしても福太郎さんはせっかちさんですねぇ。まだ開店前なのに』
福太郎「何の話し?」
骨女『はい?』
悠「おれ達はただ散歩してただけなんだが、何かあるのか?」
骨女『……そういうことでしたら、ささ、私の店においでなんしおあがりなんし。良い娘をそろえておりますよ。』
福太郎「お店って?ここ?」
悠「いい娘?今、いい娘っていった?」
骨女に背中を押され、中に入れば古びてはいるもののこぎれいな内装。
福太郎「んっ、確かにお店っぽい」
悠「ウチの茶屋のが狭い……」
福太郎「どんまい。ん?誰かおる」
二口女「やぁ、キミ。久しぶりだね」
福太郎「んっ、誰かと思ったら口子さん。すっかり妖怪らしい格好になって」
二口女「ふふっ、人間の振りをせずにどうどうと自分の姿でいられるのはいいよね。」
福太郎「悠、彼女がちょっと前に話した二口女のひとやで」
悠「二口女ってことは頭から生えてる角は……牙か!」
二口女「そうだよ。」
福太郎「それで、ここはなんなん?」
二口女「ここは「あやかし屋」普通の人間には見つけられない……人外のための墓場茶屋さ。あ、自分は店員じゃないのだがね」
骨子「店主を差し置いて先に店の説明とか。タダ飯たかりの分際で~」
福太郎「ふーん、喫茶店みたいなもんか」
悠「だからって何も墓場に建てなくてもいい気がするんだが」
福太郎「ふあぁ……すっかり春めいとるなぁ」
悠「あったかいことはいいことだ」
福太郎「せやなー、花も咲いてきとるし」
悠「その花っていうのは露出の高い格好の女の子って意味?」
福太郎「そんな回りくどい隠語は使わんかな」
悠「花みたいな女の子とかいないかな」
福太郎「アラネウス的な?」
悠「花みたいな女の子っていうか花のモンスターだな」
福太郎「状態異常攻撃バンバン使ってくるで」
悠「普通に怖いな」
福太郎「味方だったら心強いんやけどね」
悠「ところで福ちゃん」
福太郎「なに?」
悠「なんか見慣れない建物がある」
福太郎「見慣れへん建物ってここ集合墓地やで……って、あるなぁ」
ー集合墓地:あやかし屋ー
骨女『おや、もうここを聞きつけたのですね。福太郎さん。お久しぶりでありんす。』
福太郎「おや、いつぞやの骨子ちゃん。」
悠「これが例の骨っ子か。確かに淡白で眠たそうな表情してる。でも、骨じゃないじゃん」
福太郎「手とか見て」
悠「あ、骨だ」
福太郎「顔だけ肉着けとるん?」
骨女『見えてるところだけ付けといたらいいでしょ?』
カラカラ
悠「動くたびに骨のなる音がしてるがな。しかし、着物はグーだな。どこぞの詐欺わらしが着てるミニスカピンクの水仕事風着物じゃなくてこの黒のシックな感じがいい」
福太郎「それ、恋ちゃんが聞いたらカムチャッカファイヤーやろね。」
骨女『それにしてもあちきの姿を見ても驚かないとはアナタも歪業のかたですか?』
悠「いや、性格は歪んでるとよく言われる。まったく、そんなことはないのに」
福太郎「真実は闇の中」
骨女『そうですかぁ。それにしても福太郎さんはせっかちさんですねぇ。まだ開店前なのに』
福太郎「何の話し?」
骨女『はい?』
悠「おれ達はただ散歩してただけなんだが、何かあるのか?」
骨女『……そういうことでしたら、ささ、私の店においでなんしおあがりなんし。良い娘をそろえておりますよ。』
福太郎「お店って?ここ?」
悠「いい娘?今、いい娘っていった?」
骨女に背中を押され、中に入れば古びてはいるもののこぎれいな内装。
福太郎「んっ、確かにお店っぽい」
悠「ウチの茶屋のが狭い……」
福太郎「どんまい。ん?誰かおる」
二口女「やぁ、キミ。久しぶりだね」
福太郎「んっ、誰かと思ったら口子さん。すっかり妖怪らしい格好になって」
二口女「ふふっ、人間の振りをせずにどうどうと自分の姿でいられるのはいいよね。」
福太郎「悠、彼女がちょっと前に話した二口女のひとやで」
悠「二口女ってことは頭から生えてる角は……牙か!」
二口女「そうだよ。」
福太郎「それで、ここはなんなん?」
二口女「ここは「あやかし屋」普通の人間には見つけられない……人外のための墓場茶屋さ。あ、自分は店員じゃないのだがね」
骨子「店主を差し置いて先に店の説明とか。タダ飯たかりの分際で~」
福太郎「ふーん、喫茶店みたいなもんか」
悠「だからって何も墓場に建てなくてもいい気がするんだが」