第捌夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「そういえば二口さんどうなりました?」

由乃「はい、何か働き場所が見つかったらしいので、もう社会に出てもらってます」

ラム「二口?」

お仙『後頭部に口を持つ珍しい女ダ。もしゃもしゃ』

ラム「蟹の足を持ちつつ、ピザ齧ってるキョンシーも大概珍しいわよ」

お仙『バリボリ!』

ラム「足の殻ごとたべない!」

クロ「あの二口女の働き口……フードファイターか?」

福太郎「あの子、消化は早そうやったけど食べれる方ではなかったやん」

クロ「まぁな」

メリー「そもそも二口目がバレたらだめでしょ?」

福太郎「マジック的な」

クロ「大食いじゃなくてそっちのが儲かるだろ」

福太郎「見世物になるんは嫌やろ」

クロ「お前たまに会話が無茶苦茶だな」

福太郎「お酒が回ってきてん」

クロ「その程度で酔う奴じゃねーだろ」

福太郎「下戸やで」

クロ「何処がだよ!!」

りんね「ウフフ、ゲコゲーコッ♪」

由乃「りんねさんがノリノリですね。」

ラム「酔ってるわね。」

福太郎「ちなみに俺はホンマ下戸やってんで?」

ラム「そうはみえないけど」

福太郎「ほんまでっせ、酒の匂い嗅ぐだけでダメやってんですから」

由乃「今は平気なんですか?」

福太郎「いつのまにか平気になってんよね」

ラム「根本には酒飲みの気があったんでしょ」

福太郎「ラムさんはあと十年…」

ラム「なんかいった?」
ジャキッ
福太郎「おぉぅ……蟹の足を突き立てられた…。」

りんね「かーにかに♪ふふふっ♪」

クロ「コイツ大丈夫か?」

福太郎「自力で帰すんは危険かな。100%転ぶやろ」

お仙『蟹鍋がモツ鍋になるナ』

クロ「やめろバカ野郎!」

メリー「ふぅ、もうお腹いっぱい…」

福太郎「ほんなら蟹風呂はいる?」

メリー「……一応聞くけど何それ?」

福太郎「蟹の殻をいれたお茶碗にお湯を注ぐ」

メリー「絶対いや!」

ラム「ある意味、最高の贅沢なのかしらね…」

由乃「なまぐさそうですけど」

お仙『むしろ具材じゃないカ?』

クロ「それなら鍋に直接放り込んだ方が早いだろ」

メリー「私は食べ物じゃない!!」

福太郎「ほんならイチゴのフルーチェのなかは?」

メリー「……」

クロ「ちょっとありかなって考えるなよ」

ラム「酒飲みが酒池に浸かりたいっていうようなもんかしら」

由乃「私的には牛乳風呂とかそのぐらいがいいかな」
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