第捌夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「……」

クロ「……どした?」

福太郎「へ?」

クロ「いや、フライパン見つめて何してるんだ?」

福太郎「いや、鍋だけやったらアレやしなんか軽いもんでもつくっとこかなー思って」

クロ「思って?」

福太郎「思って……なにつくろかと呆けとったわ」

クロ「呆けるなよ…」

福太郎「最近はこうやって料理することもおおなったなぁ」

クロ「色んなやつが来るしな。」

メリー「ご主人様もメキメキ料理の腕あがってきてるよね」

福太郎「さすがに繰り返しやっとったら多少なりはうまぁなるもんやね」

お仙『私は早く蟹喰いたいゾ。蟹!』

クロ「大人しくしてろよ」

すっきー『蟹好きなんスか?』

お仙『……好きだゾ!』

クロ「今の間は何だ、今の間は」

お仙『生前好きだったかどうかの記憶はあいまいなんダ』

クロ「おいおい…」

福太郎「でもまぁ、アレルギーはでんやろね」

お仙『アレルギー?』

福太郎「蟹とか海老ってアレルギー持つ人、結構多いやん」

お仙『私、アレルギーだったらどうしよウ!』

クロ「死んでるお前には関係ないだろ」

お仙『心は生きてル!』

クロ「はいはい」

福太郎「ちなみに今蟹以外で何が食べたい?」

お仙『ギョーザ』

クロ「なんかハッキリしてんな」

お仙『あ、でもピザ食いたイ』

クロ「はらぺこの高校生かお前は」

メリー「私イチゴ!」

クロ「お前は何かイチゴキャラになってるよな」

メリー「なにそれ可愛いじゃない」

クロ「そうかぁ?」

福太郎「すっきーは?」

すっきー『私は蟹で全然いいっすよ。』

福太郎「蟹になりたいね」

すっきー『は?』

福太郎「クロは?」

クロ「私も別に鍋で良いんだけど…。でもまぁ、なんか軽いツマミがあるのはいいよな」

福太郎「そうなると……ギョーザとピザ?」

クロ「なんでだよ!ガッツリいってんだろソレ!」

お仙『わーイ!』

クロ「喜ぶな!」

福太郎「ええやん。もうピザも頼んでしまえ」

お仙『そーだそーダ!!』

クロ「えぇ……」

メリー「何ピザたのむの?」

福太郎「ほんならこのタラバガニとアスパラの……」

クロ「せめて蟹以外のピザにしろ!!」
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