第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「あら……あららっ。」

悠「どうした?おれの子供をついに身ごもったか?」

福太郎「絵の具が切れとる」

悠「見事に無視された」

恋「どういう反応を期待しとったんじゃ」

悠「……え?」

恋「コイツは……。」

福太郎「しゃーない、今日は描くんやめとこかな」

悠「なんだったら、パシらせるぞ」

恋「なんでこっちを指さす!」

悠「おつかいくらいいって来い」

恋「なんでじゃ!!」

福太郎「まぁまぁ、ええって買いもんいった時にでも買っとくし」

悠「遠慮しなくていいのに」

恋「お前は少し恋に感謝しろ」

悠「……え?」

恋「蹴り飛ばすぞ!」

悠「最近は蹴りがブームなのか?このまえも友人に蹴り殺すぞっていわれたし」

福太郎「それはただ怒らせただけと違うん?」

悠「そんなこたぁ、無いはずなんだが」

恋「大いにあるじゃろて」

悠「……」

むぎゅーっ!
恋「いっひゃいふぁにをするっ!」

悠「生意気な口を聞くのはこの口かなーって」

メリー「ホント、容赦ないよね」

福太郎「そら……テケテケ踏み殺すくらいやし」

悠「アレは張りきっちゃったんだ」

福太郎「何に対して……あぁ、作戦が大成功して?」

悠「いやいや、福ちゃんに見られてると思うともうテンションが上げ上げで。ほら、好きな人の前だと張りきっちゃうみたいな」

福太郎「ときどき悠の発言が怖いわ」

悠「気のせいだろおれは至って普通だ」

すっきー『普通のひとは男性に対して子供が出来たかなんて聞かないっす』

恋「病気なんじゃ」

悠「あー?」

福太郎「すっきーが……色々いうたんよ」

悠「なんだとー、どこだ、聞こえないことを良いことにあんなことやこんな事いいおって!今日という今日は揉むだけでなく抓ってやるからなッ!」

すっきー『ちょ、福太郎さん。なんでちゃんと伝えてくれないんスか!』

福太郎「え、せやって、この前いうたやん。いちいち報告せんでええって。やから、省略したんや」

すっきー『省略したら余計悪化してるじゃねーっすか!!』

悠「ここか?このへんかぁ?」

すっきー『ひいぃっ、めちゃくちゃ正確に手を伸ばしてくるっ!!』

恋「やめんかいっ!」

げしっ!
悠「とーるぎすっ?!」

福太郎「ナイスキックやけど、大ぶりしたら見えるで」

恋「っ///」

メリー「もーっ!ご主人様っ!」

悠「ま、待て、おれはまだ動けるぞぉ!!」

ずりずりっ!

すっきー『ひぃぃ!這いずる化け物っ!!』

福太郎「リアル貞子やな」

悠「カーボーラー!!」

恋「いや、別次元の化け物じゃろ」

悠「アイアム、ヒューマン!!」
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