第捌夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「んー、ここ最近は色んな女妖と会うなぁ」

恋「……」

悠「そういえばおれまた別の首なしと会ったぞ」

恋「また女か…?」

悠「いや、男」

福太郎「抜け首?」

悠「デュラハン」

福太郎「洋物やったか」

恋「でゅらはんってなんじゃ?」

お仙『首なしの騎士ダ。命を借りとるアンデットモンスター!』

クロ「ゲーム知識だな」

お仙『えっへン!』

クロ「褒めてねーから」

メリー「死神ってて言うアリスちゃんみたいな?」

アリス『うふふ。メリー可愛いわ。』

悠「いや、騎士でもなかったし」

福太郎「んっ……てことはアイルランドに伝わる首のない男の姿をした「妖精」のほう?」

悠「そうそう」

メリー「首のない男の……妖精?」

福太郎「妖精」

メリー「そんな可愛くないの妖精じゃないよ!」

悠「妖精は厄介だぞ。サクションとかしてくるし」

福太郎「ロマサガやね。」

クロ「だからゲームだろ」

すっきー『どのあたりが妖精なんすか?デュラハンって』

福太郎「どの辺いうか…コシュタ・バワーいう首無し馬が引く馬車に乗っとって、片手で手綱を持ち、もう一方の手には自分の首をぶら下げとるって……」

メリー「絶対に妖精じゃない!」

アリス『うふふっ。怒ってるメリーも可愛い。』

恋「……」

悠「なんだ恋も可愛がられたいのか?」

恋「んなわけあるか。」

クロ「ってか、お前妖怪には詳しいのにデュラハンは知らないのか?」

恋「西洋系の妖は知らん」

お仙『そもそもなんで死神っぽい扱いになってるんダ?』

福太郎「なんや「死を予言する存在」で、近いうちに死人の出る家の付近に現れるらしいで。そんで戸口の前にとまり、家の人が戸を開けるとタライにいっぱいの血を顔に浴びせかける。」

恋「死の近くに現れるのはわかるがタライで血をかけられるってなんじゃ」

悠「ドア開けた瞬間にりんね先生がずっこけたんだよ」

福太郎「血まみれかつ肉片まみれ。」

クロ「頭はどっかに転げていった……ああ、完璧に一致だな」

恋「グロは嫌いじゃ」

アリス『バラバラの死体なんてパズル遊びにしか使えないものね。』

悠「どう思う?」

恋「知らん。恋に同意を求めるな」

福太郎「せやけど、デュラハンって自分の姿を見られる事を嫌っとるんやろ?姿を見た者はデュラハンの持つ鞭で目を潰されるとか。せやけどコシュタ・バワーは水の上を渡る事が出来んから、川を渡ればデュラハンの姿を見ても逃げられるとかあるやん。」

悠「気さくな人だったぞ。あと、馬には乗ってなくてトラックに乗ってた」

福太郎「マジで?」

悠「配達屋やってるらしい。あと、手話が出来てたり、頭がなくても声が出て話せたし」

福太郎「大型免許もっとるんや」

悠「おれも同じこと思った」
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