ｰ夢見長屋近く:集合墓地ｰ

抜け首「ろくちゃんが世話になったな。」

悠「どういたまして」

福太郎「んっ、俺はなんもしてないし」

悠「しかし、迷ったりはぐれたりすると首を飛ばしたりするのか?」

抜け首「身体全部で動くよりは小回り利くし楽やん」

福太郎「んー、でも、身体放置はなぁ…」

恋「頭飛ばして身体隠さずじゃな」

抜け首「それはええんやけど……アンタらうちの身体に変なことしとらんやろな?」

恋「……しとらんじゃろな?」
ギロッ

福太郎「俺「は」しとらんよ。」

悠「おれ「も」してないよ。動かないからくすぐってみたくらい。」

抜け首「やっとるやんけエロガキ!うち、くすぐったがりやのに!ガブッ!」

恋「この外道が!動けぬ女を!ガジッ!」

福太郎「あ、悠、モテモテ」

悠「頭と腕を噛まれてモテモテっていうんならモテモテなんだろうな……。っか。くすぐったぐらいでどんないわれようだ。それに首が離れてる間は身体の感覚ないんだろ?」

抜け首「首だけのときはな身体のことはわからんけどな。身体に戻ったらそれまで受けた刺激がいっぺんにくんねや。あああもう、戻り辛うなったやないか!かなわんわ～も～」

福太郎「そういうもんなん?」

恋「聞いたことないのう。この抜け首の独特のクセじゃろ」

福太郎「んっ、まぁ、悠も善意でやったことなんやし、許したげてや」

悠「その通りだ。むしろ感謝しろモジャ首」

抜け首「……なんでこない偉そうやのコイツ…」



ｰ福太郎の部屋ｰ

福太郎「再びただいま」

悠「再びおっじゃマンボウ!」

恋「再び邪魔する」

お仙『お帰リ』

首なしの身体「……」

抜け首「うたの身体!無事やったかー!まー、色々いうたけど、一応感謝しとくわ。ろくちゃんも助けてもろたし、人間にしては肝すわっとるやないか。気にいったで!おおきにな!さーて、ご帰還やー!首だけやとふわふわして落ち着かんなー!」
すちゃっ!

福太郎「え?」

悠「おい……」

抜け首「///!!?～～～///!!!?」
ビクビクッーーー!ちょろろ……

恋「ぬおっ!」
お仙『なんダ?』
メリー「なになに!?」

悠「あーあ、自分でいっぺんにくるとかくすぐったがりとかいったくせに無防備に戻るとは……おれのくすぐりテクニックを甘く見過ぎだろ」

福太郎「んー、完全にイッたな。色んな意味で…」

恋「どんだけくすぐっておるんじゃこの鬼畜が!」

悠「えーと……どうやら少々抜けてるようだなこの妖怪。」

福太郎「抜け首だけに?」

悠「にゃははは」

福太郎「あははは」

恋「笑えるか!」

抜け首「……」
ぴくぴく


～色々処理中～



クロ「ただいま。おい、客連れてきたぞ」

ろくろっ首「ああ!抜けちゃ～ん!?」

抜け首「ろくちゃん?あんたどこほっつき歩いとったんや!」

福太郎「クロ、どこで会うたんその娘と?」

クロ「どこでっていうか、大車と一緒いて、話し聞いたらこのろくろっ首が妹とはぐれたとかいいだして、そしたらお前が前に会ったとかいってたから連れてきたんだが……どうやら迷子を探す手間は無くなったな」

福太郎「んっ、ナイス。クロ」

悠「しかし、改めてみたらそっくりだな。姉妹だから当然だろうけど」

恋「なにも首関係まで似ずともよいのにな」

福太郎「似ずともって妖怪って生まれた時からそれやないん?」

恋「あの首姉妹は元は人間じゃろ。何かしらの要因で妖怪化したようじゃが」

悠「ほー、珍しく恋がかしこくみえる発言だな」

恋「やかましいわ!」