第捌夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「んー……金が足りん」

悠「城の近くの森にでる狼狩るといい。五匹で500ちょいと落してくれるから楽だべ。」

福太郎「ほーほー」

悠「んで、金溜まったら装備整えて氷のロッド三本買っといたら火船のボスは買ったも同然。火船で適当にレベ上げしてアイテム回収したらボス目指すといいよ」

福太郎「攻略完璧やな」

悠「むふんっ」

恋「もっと別のことに知恵を使えば良いのじゃがな」

悠「これ以外、他に何に知恵を使えと?」

クロ「それ以外のことにだろ」

悠「福ちゃん分かる?」

福太郎「んー、クロスワードとか」

悠「あー、一時期ハマったわ」

クロ「ハマったのかよ」

悠「懸賞目当てでな。まぁ、全然当たらなかったんだけど」

福太郎「懸賞か……全員応募サービス以外は当たったことないかなぁ」

クロ「お前もしたことある口か」

福太郎「暇な時にすると楽しいんよ?」

お仙『マジで、じゃあ私もやろうかナ!』

クロ「お前は無理だろ」

お仙『なんでだヨー。』

クロ「字かけるのか?」

お仙『カタカナなラ!』

クロ「むしろなんでカタカナだけかけるんだよ…」

メリー「懸賞って楽しそう」

悠「……あ!」

福太郎「どしたん?」

悠「そうだよ。懸賞だよ。懸賞!!」

福太郎「懸賞?」

悠「恋、お前懸賞に応募しろ」

恋「……なぬ?」

悠「座敷童子パワーで懸賞に応募して当てる。そしたらもう詐欺わらしなんていわれない!」

恋「お前以外にいわれた覚えがないわ!!」

福太郎「んー、でも、幸運パワーで懸賞か王道ちゃ王道やな」

メリー「むしろ邪道じゃない?」

悠「運で当てるんだから何の問題もない。いうなればレアドロップ率アップ効果+%と同じ!」

福太郎「そういうスキル……っと」

恋「ひとを何だと思っておる!!」

悠「座敷童子」

恋「っ……こ、こういう時だけ真面目にいいおって」

福太郎「でも、面白いっゃおもしろない?」

恋「恋としては微妙な気分じゃ」

悠「別に宝くじで一等前後賞当てろって言ってんじゃないんだぞ」

クロ「そのわりに随分と具体的だな」

後楽「馬券!馬券を買おうぜ!そうすりゃすぐに二倍!いや、何十倍にも……」

悠「破顔の極!」
ズゴォォォン!
後楽「ぐぶぁっ!」

悠「からの……窓からどーん!」
ポイッ
後楽「ぎゃああぁぁぁ……!」
ぐちゃっ!

悠「ふぅ…」

福太郎「肉の塊が潰れるような音したな」

悠「気のせいだろ」

クロ「今起こった一連の惨劇を気のせいで済ませる気だぞあいつ」

恋「まぁ、後楽じゃし。ええじゃろ」

悠「そうそう」

メリー「何気にどっちもひどい…」
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