第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「まいどー」

福太郎「まいど」

恋「なんじゃその挨拶は……失礼するぞ」

悠「福ちゃん、この本、当たりだったわ。続き借りてっていい?」

福太郎「んー、全部持ってってええで」

悠「愛してる」

福太郎「likeの方でとどめといてな。」

悠「冷静に返してくる部分も好き」

福太郎「茶でええかな?それともコーヒー?」

悠「オフウ……。」

恋「茶が良いな。」

福太郎「んっ。」

悠「じゃ、これと、これと……お、これも借りてく」

メリー「そんなに持って行っていつも読めてるの?」

悠「読めてるよ。これでも本を読むのは好きなんだ」

福太郎「俺も同じやなー。とくに水木茂」

悠「京極もありだよな」

福太郎「ええなぁ」

すっきー『ふたりは本の趣味とかがあうんすね』

恋「というか、悠が部分的に深いだけじゃ」

悠「あ、これ……おれがオススメの本置いとくな」

福太郎「ん、どもども。ただ……俺の方はまだ結構消化でけてないけん、しばらく借りとってええかな」

悠「あぁ、別に読み終わってるしゆっくりでいい……ゆっくりしていってねっ!」

福太郎「なんでいいなおしたん?」

悠「世界がそうさせたんたぜ」

メリー「意味分かんない」

悠「分からないことを考えるな。分からないことを考えたって解りゃしない、頭痛くなるだけだ」

メリー「は?」

悠「っか、福ちゃん、なんか少し焼けた?」

福太郎「あんー、昨日いちにち日向ぼっこしとったからかな」

悠「健康的な小麦肌のアナタも好き」

福太郎「悠はそこそこ白いな」

悠「ナイススルースキル。おれは赤くなって痛いだけでなあんまし焼けないんだ」

福太郎「ふーん」

悠「そのかわり一度焼けたらべろべろに皮がめくれるぞ」

すっきー『脱皮かなにか?』

恋「ぷっ……」

悠「……福ちゃん、いますっきーなんか言ったか?」

福太郎「脱皮する爬虫類野郎やって」

すっきー『そこまでいってねぇー?!』

悠「ここかな、ここかな?それともここかぁー!」

ツンツン、もみもみもみもみもみ……

すっきー『みぎゃーー///ちょ、やめっ///』

ゴンッ!
悠「タコスっ?!」

恋「見えぬものを相手にセクハラすな!」

悠「おぉおおぉ……な、なにぶつけられた?」

福太郎「キッコーマンしぼりたて生醤油の容器」

悠「けっこう痛っぇ……」

すっきー『はぁはぁ……このひと、絶対みえてるだろ』

福太郎「悠、すっきー見えとる?」

悠「全然」
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