第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー西口公園ー

福太郎「はぁ~……ええ天気やなぁ。」

ミツバ『ですねぇ~。』

福太郎「しかし、急に暑ぅなったなぁ。」

ミツバ『ですねぇ~。』

カラス『まったく……日陰にいねぇと焦げちまう』

福太郎「身体真っ黒やもんな。直射日光吸収しまくりやろ」

カラス『ホントに……あん?』

福太郎「ん?」

カラス『あぁん?』

福太郎「どないしてん?ハトが豆鉄砲喰ろうたような顔して」

カラス『誰がハトだ!!っていうかなんだぁ!お前、ワシの言葉がわかんのか』

福太郎「んー……わかりますん」

カラス『どっちだよっ!』

福太郎「まぁ、分かるかな。」

ミツバ『福さんは動物とお話しできるんですよぉ~』

カラス『ゲッ、猫がいる!!』

バササッ!

福太郎「そんな高いところいかんでもミツバは猫ができとるけんむやみに襲わんで」

ミツバ『はい~今日は日向ぼっこでぃですぅ』

福太郎「とのことや」

カラス『ワシら鳥たちは生理的かつ天性的に猫科とは合わないんだよ』

福太郎「捕食者と獲物やもんな」

ミツバ『ミツバもときどき犬に遭うと動けなくなりますぅ』

福太郎「動物界も大変やな」

カラス『ワシらにいわせたら人間も大概だがな』

福太郎「人間はほら……凄い人は凄いけど、凡人凡人やし。」

カラス『それでいいのかよ…。』

福太郎「まぁ、ほら実際に人間個人では君らみたいに空を飛んだりは出来んけど、道具を使うたりはできるやん?俺も難しい能弁はたれんけど……そっちのええ所もあるし、こっちのええ所もあるでええんちゃうの?」

カラス『なんでこんな話ししてるんだっけか?』

福太郎「んー……なんでやったかな。ま、ええやん細かいことは」

カラス『変わった人間だな』

福太郎「動物と話せるだけの普通の人間やって」

カラス『それが変わってるっていってんだよ。』

福太郎「はは、そっか」

ミツバ『福さんはいいひとですよぉ~』

カラス『調子狂うぜ……。』

福太郎「カラスはここらが縄張り何?」

カラス『そうだな。けど、餌場の一番は明けがたの歓楽街だ』

福太郎「ゴミあさりはアカンで?」

カラス『ゴミじゃなく立派な食いもんだ。もったいねぇだろ』

福太郎「んー……そういわれたら反論に困るなぁ。けど、散らかしてくやん」

カラス『知ったこっちゃねーよ』

福太郎「かなわんなぁ」

カラス『ふん、じゃあな、変な人間とトロい猫』

バタタッ……

福太郎「行ってもーたな」

ミツバ『いっちゃいましたねぇ』

福太郎「鳥もええなぁ」

ミツバ『ミツバも飛んでみたいですぅ』

福太郎「んー……はぁ、それにしてもええ天気やなぁ」

ミツバ『そうですねぇ。』
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