第捌夜『福太郎の不思議な日常』

ー池袋界隈ー

福太郎「チョコってなんでもええの?」

諏訪子「そうだねぁ。女の子が好きそうなチョコがいいね。」

福太郎「女の子ってどんなチョコが好きなん?」

諏訪子「さぁ」

福太郎「すわすわも女の子やんな」

諏訪子「りっぱなレディですけど?」

福太郎「そんで女の子ってどんなチョコが好きなん?」

諏訪子「さぁ」

福太郎「……」

諏訪子「……」

福太郎「御自分の発言に矛盾は感じまへん?」

諏訪子「気にしたら負けだと思ってる」

福太郎「なるほど」

諏訪子「まぁ、可愛らしい感じのでいいかな」

福太郎「可愛らしい感じのチョコ……」

諏訪子「蛙の形をしたチョコとかだと完璧だと思う」

福太郎「……」

諏訪子「もしもーし?」

福太郎「あ、すんません。天気についてかんがえてましたわ」

諏訪子「なるほど、でも私はそう簡単に引く女じゃないよ!」

福太郎「蛙入りチョコを見つけるんは至難の業なんで次回ってことにしといてください」

諏訪子「蛙「型」チョコ!「入り」はダメッ!」

福太郎「食べちゃいたいほど可愛い的な」

諏訪子「蛙は食べ物じゃないよ!」

福太郎「とある地方では普通に食べ物らしいですよ。」

諏訪子「呪われろ!」

福太郎「すわすわが言うたら洒落にならんな」

諏訪子「蛙を凍らす妖精とかも呪われろ!」

福太郎「なんやめっちゃ超個人的な呪い宣言したね」

諏訪子「妖精ってなんであんなにバカなんだろ」

福太郎「妖精やからちゃうかな」

諏訪子「それで買うチョコ決まった?」

福太郎「んー、チョコいうたらやっぱりゴディバかな」

諏訪子「じゃあそれで」

福太郎「即決やな」

諏訪子「粋な気負いって大事じゃん」

福太郎「略して「いきおい」ですね。わかります」

悠「わかるわかるー。超わかるー。」

諏訪子「分かるよね」

悠「わかるよー」

福太郎「悠ってヌッと現れるよな」

悠「蛞蝓みたいに聞こえるからやめてくれ」

諏訪子「誰コレ、貞子?」

福太郎「んっ、貞夫さん」

悠「貞夫です。でも、小鳥遊悠でもあります」

諏訪子「もしかしてバカ?」

福太郎「バカを演じとるだけでホンマは凄いんよ」

悠「方や容赦なく馬鹿といってくれるし、方や褒めすぎだし……まぁ、それより何してる?」

福太郎「女の子が好きそうなチョコ探し」

悠「ふむ……ガラナチョコとかどうだろうか」

福太郎「そういう発想が即出る悠は流石やな」

悠「へっへっへっ」

諏訪子「……」
スッ……ゴンッ!
悠「相当痛い!」

福太郎「わー……それ何?」

諏訪子「鉄の輪」
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