第捌夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

りんね「んっ、んんっ……。ん?」

ラム「おはよう」

りんね「あれ……ラムちゃん?なにしてる?」

ラム「あたしが何かしてるんじゃなくて、アンタが私を抱き締めてるのよ」

りんね「あらぁ……どうして?」

ラム「酔って人のことを離さなかったからでしょうが!!」

りんね「あらぁ、そうだったのぉ……。ふあぁ…。」

ラム「わかったなら離しなさいよ!」

りんね「くぅくぅ…」

ラム「二度寝するな!!」

クロ「寝ぼけてるな」

メリー「寝ぼけてるね」

福太郎「おはよさん。」

メリー「あ、ご主人様。おはよー」

クロ「おはよ。」

福太郎「百目鬼襖(あっち)の部屋、暖房器具もう一つなんか増やした方がええかもね。なかなか寒かったわ」

すっきー『大丈夫っスか?』

福太郎「んっ、寝袋は優秀やし。しかも二枚重ね。」

クロ「なんで寝袋あるんだよ、しかも二枚」

福太郎「どこのご家庭にも寝袋ってあるやん」

クロ「ねーよ」

福太郎「んー、そっかなぁ。それより……お仙は?」

クロ「朝風呂」

お仙『朝風呂サイコー!』

福太郎「元気やなぁ。」

お仙『ウフッ♪』

クロ「蹴り飛ばしてぇ」

福太郎「んっ、まぁ、風邪引かんようにな」

お仙『おウ!』

メリー「キョンシーって風邪っていうか病気になるのかな?」

すっきー『っていうか、私らも基本病気にならないはずっすけどね』

ラム「ちょっとー!」

福太郎「んっ、あ、おはようございます」

ラム「おはよう……じゃない!助けなさい!」

福太郎「なかなか微笑ましい感じになってますよ?」

ラム「やかましいわ!ひと晩中こんな感じだったのよ!」

福太郎「百合百合ですね」

ラム「あとで絶対に蹴る!昨日の分もまとめて蹴る!」

福太郎「んー……昨晩の分もしっかり覚えてはるわ」

クロ「なかなか恨みの根が深いな、おい」

福太郎「んっ、まぁ、もうちょっとしたらきっと目覚めると思うんで」

ラム「そのままでいろってか!!」

クロ「落ち着けよ。口調がなんかもう男になってるぞ」

ラム「うっさい!!」

クロ「えぇ……」

メリー「ご主人様、可哀想だよ」

福太郎「んー……もしかしてトイレ?」

ラム「っ……そうよ!悪い!私がトイレしたくなっちゃ悪いの!!」

クロ「それならそれで最初から言えよ……」

ラム「最初っから言わなくてもずっーーとこんな状態だったら誰だって怒りたくなるわよ!」

福太郎「ほんなら、助よか。クロ、右手引っ張って、おれ左引っ張るけん」

クロ「わかったよ。せーの」
メキッ
福太郎「よいしょっ」
メキッ

すっきー『わー、千切れてはないけど折れてるっスね……』

ラム「……」
ゲシッ!
福太郎「あ痛っ……」

クロ「ちゃんと蹴ってから行ったな」

福太郎「しっかりしとるわ」
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