第捌夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

のっぺら娘「そういえば……御堂さんは」

福太郎「福太郎でええよ」

のっぺら娘「じゃあ、福さんは何をしてる人なんです?こうやって妖怪さんに囲まれても平気みたいですけど……沈伏屋とか?」

福太郎「いやいや、そんなめっそうもない。しがない歪業屋やで」

のっぺら娘「あっ!歪業の人だったんですか!」

福太郎「んっ、しっとるんや。」

のっぺら娘「はい、私の母が元歪業屋なんです。それで父と出会ったのが馴れ初めだそうで」

メリー「素敵!」

クロ「そうか?」

お仙『クロはもっと女子力出さないト』

クロ「女子力ってなんだよ」

お仙『フクタローみたいな感じだ』

福太郎「はい?」

メリー「ご主人様は確かに女子力高いかも」

すっきー『料理は出来るし、裁縫とかも得意、一応気配りも出来る……たしかに高いっすね』

福太郎「そんなんいうたら悠もやで?」

クロ「アレは違う」

メリー「それは違う」

すっきー『全然別っす』

福太郎「わーお」

のっぺら娘「悠って誰ですか?」

お仙『霊感はないけど、すっきーを引っ張り出せたり、死神とか九尾の狐とかに好かれててる奴ダ』

のっぺら娘「人間ですか?」

福太郎「人間やで」

クロ「私はあんまりそう思ってない」

メリー「私も」

すっきー『同じくっす』

のっぺら娘「意見が大きく分かれてますけど」

福太郎「信じるか信じないかはあなた次第」

のっぺら娘「都市伝説っぽい!」

福太郎「都市伝説だらけやけどね。」

お仙『もはや都市通説』

クロ「それは違う」

福太郎「俺的には今の面白かった」

お仙『ドヤァ』

クロ「ドヤ顔がウゼェ」

のっぺら娘「あははっ。いやー、すっかりお茶ご馳走になっちゃって」

福太郎「いやいや、楽しんでもらえてよかったです。」

のっぺら娘「あの、よかったらまた遊びに来ていいですか?」

福太郎「うちでよかったらいつでもどうぞ」

のっペラ娘「ありがとうございます。」

福太郎「いえいえ、お仙。そこまで送ってあげて」

お仙『まかせろイ』

のっぺら娘「それじゃあ、失礼します」

福太郎「はーい」

メリー「なんか可愛らしいひとだったね」

クロ「抜けてるところあるけどな」

福太郎「のっぺらぼうだけに?」

クロ「意味が分かんねぇよ」

福太郎「んっ、今のは失敗やったわ」

すっきー『たまに適当いいますよね…』

クロ「変わった男だからな」

お仙『送ってきたゾ。さぁ、お風呂お風呂』

クロ「アイツはアイツで変わってるよな」

福太郎「みんな違ってみんないい」

クロ「いや、何かいい話風に終わらせるな」
1/100ページ
スキ