第七夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「ま、お茶どうぞ」

のっぺら娘「あっ、どもでーす。」
にゅっ

お仙『おー、口だけ現れタ』

のっぺら娘「ふぅ……美味しい」

福太郎「便利やな」

クロ「便利っていうか出しっぱなしでいいだろ」

のっぺら娘「いやー、それだと何か落ちつかないんですよ。顔を出してると制服で、のっぺらだと普段着みたいな」

福太郎「なるほど」

メリー「分かったの?」

福太郎「なんとなく」

クロ「そういえば何で鼻だけとれるんだ?」

のっぺら娘「あぁ……実は私、鼻だけが変化するの苦手なんです」

福太郎「そういうんで苦手ってあるんやね。」

のっぺら娘「いますよ。変化の苦手な狐狸妖怪とか」

福太郎「狐狸妖怪……ホンマかなぁ」

クロ「いや、お前が知ってるのは狐狸妖怪の中でも別格だから」

福太郎「後楽さんも?」

クロ「妖怪内でも詐欺師っていわれてる」

のっぺら娘「後楽って……化け狸の後楽さんですか?」

福太郎「知っとるん?」

のっぺら娘「はい、私妖怪系の金融会社に務めてたことあるんですけど」

福太郎「妖怪社会にも金融会社が……」

お仙『解き明かされる驚きの事実』

のっぺら娘「そこでブラックリストに載ってますよ。後楽って人」

福太郎「金融業者からも完全にマークされとるんやな、あン人」

クロ「いっぺん吊るされたらいい」

福太郎「三分で逃げる気がする。」

クロ「確かにな……」

すっきー『なんの話ししてるんスか?』

福太郎「後楽さんの話し」

すっきー『ろくな話しじゃなさそうっすね。』

のっぺら娘「もしかして、隙間女さんですか?」

すっきー『わっ、のっぺら坊!!』

福太郎「ぺら子さん」

クロ「それ名前じゃないだろ」

のっぺら娘「初めまして、のっぺら娘です」

すっきー『隙間女のすっきーっす』

のっぺら娘「わー、ホントに都市伝説妖怪さんがいっぱいですね。」

福太郎「せやろ」

クロ「コイツがそういうの呼び寄せる体質なのかもな。」

福太郎「そーなん?」

すっきー『いや、そうじゃないと思ってたんスか?』

福太郎「んー……特に意識はしてなかったなぁ」

クロ「しろよ。」

お仙『フクタローは怖いもの知らずだからナ』

福太郎「怖がりやで」

のっぺら娘「そうは全然思えませんけどね。」

福太郎「そう?」

メリー「ぺら子ちゃんは今は何してるの?」

のっぺら娘「今はフツーに学校通ってますよ。大学生です。」

福太郎「マジで!」

のっぺら娘「マジですよ。ちなみに父がのっぺら坊で母が人間のハーフです」

クロ「あぁ、それで変化ヘタなのか」

のっぺら娘「そんな感じです」
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