第七夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

こんこん!

福太郎「はーい?」

後楽「よっ!」

福太郎「あら、珍しい。後楽さんやないですか」

後楽「ちょっと近くまで来ててなあげてくれ」

福太郎「どーぞ」

クロ「あげねぇほうがよくないかソイツは…」

福太郎「んっ、まぁせっかく来てくれたんやし」

後楽「おんや?こちらのお嬢さんは初めてだな」

お仙『笠森・御堂・お仙ダ』

後楽「ミドルネームがあるのか?」

福太郎「笠森と御堂を使いわけとる感じです」

後楽「良く分かんないが、笠森お仙といやぁ、水茶屋「鍵屋」で働いていた看板娘のことか?」

福太郎「えぇ、そこから名前貰ったんですよ」

後楽「死んで記憶をなくしちまった系か」

お仙『そうダ。だけど、魂はいきていル!』

後楽「ユニークなゾンビちゃんだな」

お仙『キョンシーダ!』

後楽「ああ、おじさんそういうの疎いから」

クロ「アンタ、ド古株の妖怪だろ」

後楽「心はヤングハートさ」

クロ「いってることがお仙レベルだよ…」

お仙『つまりハイレベル!』

クロ「やかましいわ。」

福太郎「なんか呑みます?」

後楽「そんな悪いぜ。アルコールが良いな」

メリー「ガッツリ頼んでる…」

後楽「カッカッカ、お嬢ちゃんチョコレートあげよう。チョコレート」
がさごそ

メリー「ええと……」

福太郎「もらっとき」

メリー「じゃあ、ありがとうございます」

後楽「おう。」

福太郎「パチンコで勝ったんですか?」

後楽「おうよ。三万ほどな」

福太郎「いくら突っこんで?」

後楽「五万程」

クロ「ボロ負けしてんじゃねぇか!」

後楽「他人のお金でやってるからおじさんのマイナスはないんだよ」

クロ「他人の金って字点で駄目なんだよ!っか、パチンコしなかったら五万まるもうけじゃねーか!」

後楽「それじゃあ、泥棒じゃないか。」

クロ「泥棒だろ!」

後楽「違う違う、先行投資として借りてるだけだって。げへへ」

福太郎「借りとるだけっていうか……刈り取る者?」

後楽「カッカッカ。兄さん、上手いじゃないか」

福太郎「どーも」

クロ「いや、どーもじゃないだろ。」

後楽「よかったら兄さんも投資してくれないか?倍にして返すぜ」

福太郎「自分、コツコツ地道っていうが好きなんでやめときますわ」

後楽「そうかぁ。兄さんからは結構臭うんだけどな」

福太郎「なんがです?」

後楽「現ナマ……オゼゼの臭いがな」

クロ「蹴りだそう」

福太郎「まぁまぁ、落ち着いて」

後楽「そうそうお年寄りは大切にしなくちゃいけないんだぜ?」

クロ「うるせぇ害獣が」
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