第七夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「んーーーっ、はぁ、やっぱり正月も過ぎたら暇やなぁ」

クロ「まぁ、そうだな」

福太郎「せやけど、新春とかで深夜に映画を連続でやるんズルイよな。興味ないもんでもついつい見てしまう」

クロ「何か分かるわそれ。つていうか、現状がそれだもんな」

福太郎「しんどかったら寝てもええんやで?」

クロ「いや、ここまで見たら最後まで見たいし」

福太郎「そっか。」

クロ「ちなみにこの映画見たことあるのか?」

福太郎「んっ、一回なんかで見た。」

クロ「ふーん…」

福太郎「どかした?」

クロ「いや、お前が好みそうな映画っぽくないから」

福太郎「そかな。コメディとか大好きなんやけど。特に洋画やったら裸の銃を持つ男シリーズ。全身コンドームとか爆笑したわ」

クロ「……」

福太郎「いや、ホンマに、下ネタもあるけどおもろいんやって今度DVD借りてくるし」

クロ「いや、別にそれはいいんだけど」

福太郎「いやいや、ホンマ見たらええって」

クロ「わかった、わかったよ。今度見てやるよ」

福太郎「んっ、あ、ビールなくなった?」

クロ「お?あぁ」

福太郎「ほんなら、取って来るわ」

クロ「おう」

福太郎「あらら……」

クロ「どした?」

福太郎「いや、さすがに買い物いっとらんかっただけに冷蔵庫がからっぽや。おつまみ、お漬物しかないわ」

クロ「私はそれで別に問題ねーけど、冷蔵庫が空っぽなのは問題だな」

福太郎「明日買い物いかなね。」

クロ「そだな、けど、昼過ぎまで起きれねーだろなきっと」

福太郎「せやねー」

クロ「カリっ……美味いなこの漬物」

福太郎「悠に貰ったもんやで」

クロ「……微妙に味が悪くなった気がする」

福太郎「あはは」

クロ「あいつもチョロチョロ色んな事してんよな」

福太郎「ホンマにね。」

クロ「しかし、ムカつくけど美味いな…」

福太郎「結局美味しいんゃね。」

クロ「……」

福太郎「そういえば、クロは何か無いん?」

クロ「質問の意味が分かんねぇ」

福太郎「メリーちゃんには服、すっきーにはアクセと家具、お仙には入浴セット、クロは特に何もないやろ?」

クロ「私は別に欲しいもんとかねーしな」

福太郎「今の生活が満足やと」

クロ「何か言い方が引っかかるが概ねそうだな」

福太郎「そっか」

クロ「強いていうなら」

福太郎「いうなら?美味い酒と寿司食いたいな」

福太郎「寿司か……食べに行く?」

クロ「気前いいじゃん。死ぬのか?」

福太郎「寿司ご馳走するくらいで死にはせーへんて」

クロ「ははっ、そうだよな。」
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