第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「休日言うてもあっという間やな」

すっきー『福さんはなにかしらしてますからね。洗濯して、掃除して……』

福太郎「ひとりモンはたいていこんなんやろ」

悠「おいおい、おれを置いて二人でトークすんなよ。そういうことする奴は物件買い占めてやるからな」

福太郎「悠……買い占めるもなにも俺はとっくに借金まみれなんやけど」

悠「ふっ……」

メリー「ずるしてるでしょ!」

悠「ずるはしてないよ。」

メリー「「は」ってなによ」

悠「乱調整さえすれば余裕なだけ」

メリー「らん……?」

福太郎「めっちゃマニアックなことやから一口で凄いこととおもとき」

メリー「はーい?」

福太郎「せやけど、そんな真似ようできたな」

悠「ざらにひとりで99年プレイ経験してないからな」

福太郎「ひとりで99年プレイて……」

すっきー『これって一応大人数系ゲームっすよね?』

福太郎「なんで、そんなことを?」

悠「本当にやるゲームが無い時にやるのは牧物で野菜を乱獲するか桃鉄でひとり99年プレイか……最後の最後はクリアしたRPG系ゲームのキャラのレベルを延々とMaxまで上げ続ける」

福太郎「色んな意味で神経潰すで」

悠「苦行の果てにどこかへたどり着ける気がしてな」

福太郎「きっと、カンストしたステータスやな」

メリー「あぁ、話してる間にどんどん買占め侵食されている」

悠「はっはは、もう鉄道も買ったぞ。これで走るたびに税が入るぜ」

福太郎「まぁ、俺は俺なりに楽しませてもらうわ」

ルーミア「ふぁー……おはよなのかー」

チルノ「むぎゅっ!」

福太郎「おはよ……っていうても、もう夕方やけどな」

ルーミア「そーなのかー」

チルノ「うぎゅー!」

悠「些細なことなんだが……チルノを潰してるぞ」

チルノ「ルーミア、どーいーて!」

ルーミア「んしょ、なにしてるのかー?」

福太郎「ん、ゲームや」

チルノ「ゲーム!するする!あたいもするー!」

福太郎「ほな……一回リセットしょうか」

悠「20兆超えの資産を手放せと?!」

福太郎「いやなん?」

悠「いや、全然」

メリー「あんた、なんなのよ」

悠「一応ワンクッション挟んどいた方がいいかと思って」

福太郎「なんのゲームしょーか」

悠「高橋名人の冒険島とかどうだ?」

悠「ファミコンのうえひとり用やん。しかも超のつくクソゲー」

悠「おれ……あれクリアしてるんだぜ」

福太郎「マジか……今ちょっと悠の尊敬ポイントがめっちゃ上がったわ。何時間かかった?」

悠「約29時間」

メリー「一日とちょっとでクリアって簡単じゃない?」

福太郎「ちゃう、ちゃうでメリーちゃん。途中セーブはでけんし、ゲームバランスが悪すぎるねんアレ」

悠「コンテニュー条件がまず隠し要素みたいだしな。とりあえず初見殺しが多い、三匹のコウモリ地帯なんて発狂もんだぞ。」

メリー「知らないし」

悠「例え今、おれが本気の本気でも全クリに3時間はかかるだろうな。ぜったいにやらないけど」
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