第七夜『福太郎の不思議な日常』

ー池袋:商店街ー

福太郎「手つなぎます?」

ラム「……はい?」

福太郎「迷子防止のために」

ラム「腕出しなさい。へし折ってあげるから」

福太郎「……利き腕は堪忍してください」

ラム「なんでそこはちょっと潔いのよ」

福太郎「仮にですね」

ラム「仮に?」

福太郎「俺がガチでガチでラムさんに襲い掛かったとしても2分で沈む自信があるんですよ」

ラム「……いや、そんなことを威張られても」

福太郎「ちなみに2分ていうんは1分必死に逃げて三十秒咳き込んでの最中にブッ飛ばされるって計算になっとります」

ラム「変なところが細かい」

福太郎「どうも」

ラム「褒めてはいない」

福太郎「ですよね。」

ラム「っていうか、私はそもそも武闘派じゃないからね?」

福太郎「……んっ?」

ラム「なんで急に聞こえずらい感じになってんのよ」

福太郎「せやけど、俺はカブトムシより弱い地震がありますよ?」

ラム「成人男性がカブトムシ以下って何よ」

福太郎「いや、カブトはなめたらアカンですよ。あの角、甲殻、そしてパワー!」

ラム「……虫好きなの?」

福太郎「んー、人並みには。男なんでカブトムシとかみたらワクワクしますね。」

ラム「わかんないわぁ」

福太郎「虫とか駄目?」

ラム「ウジ虫とか見慣れてるのに駄目も何もないわよ」

福太郎「んー、ヒヨケムシとかは?」

ラム「なんでいきなり三大奇虫を出した」

福太郎「あ、知っとるんや」

ラム「見た目とかはね。」

福太郎「あんなん家の壁とかに居ったら俺は部屋飛び出るかもしれんわぁ。」

ラム「まぁ……生では見たくないわね。」

福太郎「しかも、アレ知っとります?スピードがめっちゃ速いって。砂漠の砂の上を走ることが出来るんやで。そのスピードたるや時速30マイル※」

※時速50キロ

ラム「随分詳しいわね。」

福太郎「んー、何かキモイもんて一度見たら調べてみたーなりません?」

ラム「分かる……気もする」

福太郎「でしょ。ちなみに個人的にウデムシは有りかなぁ。思うんですよね。」

ラム「えっ、奇虫トーク続けるの?」

福太郎「変えますか?」

ラム「別のにして」

福太郎「ほんなら……ジュエルキャタピラーって蛾になったら毛玉みたいになってしっとります?」

ラム「虫じゃん!なに?そんな虫好きなの?!」

福太郎「フツーです」

ラム「アンタってキャラがホント掴めない」

福太郎「んー……普通かな」

ラム「どこがよ…。」

福太郎「ちなみに、唐津君って何か特別な力があったん?」

ラム「どのタイミングで聞いてきてんのよ……」

福太郎「んー、このタイミング?」

ラム「疲れるわぁ…」
46/100ページ
スキ