第七夜『福太郎の不思議な日常』

ー池袋東口:和龍軒ー

りんね「ラーメンって久しぶりだわ」

福太郎「そうなんですか?」

りんね「あ、ちゃんとしたお店で食べるラーメンはって意味ね。カップめんとかならちょこちょこ食べるんだけど」

お仙『ウチはラーメンわりと多いゾ』

福太郎「めんどくさい時はキャベツ刻んで鍋で煮込みラーメンするからなぁ」

クロ「冬場はいいけど夏場はやめてほしかった」

福太郎「汗だくになって食べてたやん」

クロ「そりゃなるだろ」

千夜「前、失礼します。餃子四人前です」

福太郎「どうもー」

ラム「福太郎って今暇なの?」

福太郎「せやねー。暇っちゃ暇やね。」

メリー「歪業のほうのお仕事もないしね」

クロ「唯一の仕事と言えば……あれか、猿の絵」

福太郎「アレは頼まれ事であって仕事ではないんやけどね。」

お仙『メリー、どうどうと出てて平気なのカ?』

福太郎「ラムさんの傍におったらイケるやろ」

ラム「どういう意味だ。コラ」

りんね「でも、違和感ないわよ?」

ラム「だから、どういう意味!」

福太郎「まぁまぁ、落ち着いて」

ラム「ったく……暇だったら面白いヒマつぶし有るわよ」

福太郎「猫ですか?犬ですか?」

ラム「は?」

福太郎「尾も白い」

ラム「次にくだらないこと言ったらラー油を目に垂らす」

福太郎「お口チャックノリス」

クロ「今のアウトじゃね?」

ラム「ふふっ…」

お仙『なんかちょっと受けてんゾ』

りんね「ラムちゃんて結構笑いの沸点低そうね。」

福太郎「悠が居ったら窒息するかもな」

クロ「アレは存在がツマンネぇから問題ないだろ」

お仙『わー、酷イ』

福太郎「そんで、面白い暇つぶしって?」

ラム「これよ」

ラムは四つ折りにされた紙を福太郎につきだした。

福太郎「なに挑戦状?」

りんね「ラヴレター」

クロ「不幸の手紙」

ラム「どれも違う!」

福太郎「ええと、ボランティア案内?」

お仙『なんのボランティアダ?』

福太郎「……」

クロ「どした?」

福太郎「『青木ヶ原樹海でお経をあげよう』」

クロ「……あぁ?」

ラム「うちの大学のボランティア。要するに樹海で自殺した死体の回収」

りんね「ラムさんて仏教大なの?」

ラム「私は違うけど、知り合いが仏教学部にいるのうちの大学は結構大きくてしかも色々と学部選択幅が多いのよ」

福太郎「んー……で、なんでこれを俺に?お経は唱えられませんで?」

ラム「アンタどんな死体見ても平気でしょ?それに探すのも上手そうじゃない」

福太郎「そんな能力はないんやけどなぁ」

ラム「何でもいいのよ。」

クロ「ちなみに、本音でいったら?」

ラム「とりあえずボランティアの人数が少ないから数を増やしたいのよ。」

りんね「死体が見れるって謳い文句でひとは集まらないでしょうね」

クロ「アンタがいうなよ…」
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