第七夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「お茶とコーヒーどっちがええですか?」

ラム「コーヒーがいいわ。」

お仙『ミルクと砂糖マシマシの甘甘デ』

ラム「……」

福太郎「ええんですか?」

ラム「お願いするわ」

福太郎「……ココアもありますけど?」

お仙『ココアにしてあげテ』

ラム「コーヒーでいいわよ!コーヒーで!」

クロ「見た目的にはココアのが良いんじゃね?もしくはミロ」

ラム「うっさい、縛って封印するわよ」

お仙『緊迫プレイ』

ラム「ちょっと!普段、どういう教育してんのよ!」

福太郎「ですから、清く正しく美しく純粋に優しく……」

ラム「閻魔に舌を抜かれろ!」

福太郎「あはは」

クロ「笑い事じゃないだろ」

福太郎「はい、ココアです」

ラム「……ズズッ。甘くておいしいわ」

お仙『キャワワ』

ラム「非常に腹が立つんだけど」

福太郎「そお?」

クロ「私もかなり前からそう思ってた。コイツ、無表情なのにやたらボケて絡んでくるんだよ」

お仙『無表情ではなイ!ちょっと表情筋が硬直しているだけダ!』

福太郎「でも、今はこの部屋普通に暖かいやろ?お仙、普通に動いとるし死後硬直にはならんのとちゃう?」

お仙『ポーカーフェイスで頑張ってル』

ラム「何がしたいの?」

クロ「わからん」

お仙『これで私が表情豊かだったらアイドルデビューとかしちゃうじゃン?』

ラム「顔色悪いヤツがなに抜かしてる?お?」
ガシッ
お仙『こーわーイー』

クロ「無表情かつ棒読み」

福太郎「まぁまぁ、ラムさん落ち着いて胸ぐら掴むんはやめましょ、胸ぐらは」

クロ「……」

お仙『クロも混ざりたイ?』

クロ「いや、全力で遠慮する」

お仙『ツンデレ犬』

クロ「ぶっ飛ばす!」

お仙『きゃーこわーイ』

ラム「はあぁ、ホント預けて良かったのかしら」

福太郎「人間より生き生きしてるキョンシーっていうんも悪うないと思いません?」

ラム「生き生きし過ぎでしょ。そこらの中、高生並のテンションよアレ?」

福太郎「まー、ヘタに壁つくって会話も関係におざなりになるよりはあのくらいがええんとちゃうかなー。なんやかんやでああいう感じので行き過ぎん位がちょうどええんやと思いますよ」

ラム「ふーん…」

福太郎「ん?どうかしました?」

ラム「別に、それより何か描いてたの?アレ」

福太郎「んっ、あぁ、ちょっと頼まれた絵をね」

ラム「あら、仕事中だった?」

福太郎「仕事やないんで気にせんといてくださいな。期限とか言われたわけゃないし。」

お仙『猿の絵を頼まれたんだよナ』

ラム「猿?干支じゃないようね。羊だし」

福太郎「あー、来年間近なんですねぇ。」

ラム「忙しくなって嫌だわ」
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