第七夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「じゃあ、こっくりさんやる?」

クロ「どうしてそうなった」

福太郎「今では立派な交霊術なところからかな」

クロ「いや、意味が分からないし、だいたいナニ聞くんだよ」

福太郎「……明日の天気?」

クロ「ネットで調べろ」

悠「クロの性感帯」

クロ「靭帯切れろ」

メリー「夕飯のおかず」

クロ「福太郎に聞け!」

お仙『人生とは何カ』

クロ「何か重い!」

悠「質問に対して突っ込んでくれるコレがツッコミのクロさんだ」

クロ「妙な二つ名をつけんなボケっ!」

福太郎「こうやって都市伝説は増えていくんやな」

メリー「これって都市伝説?」

福太郎「んー、あとはいくつか条件付けかな」

お仙『条件?』

福太郎「こっくりさんとかやったら五十音と鳥居にはい、いいえを書いた紙と十円玉、呼び出しの呪文で交霊やろ?これに近いような感じで雰囲気的な動作とか儀式をつけたしたら都市伝説的なものが完成するってこと」

メリー「よくわからないわ。」

悠「クロのお尻を触ると幸せになるって噂を流して、それが広まったら都市伝説の完成。広まらなかったら未完成ってことだ」

クロ「いちいち私にセクハラすんじゃねぇ!!」

悠「触ってもないのに怒られるのは理不尽だ。せめて触らせろや!!」

クロ「黙れっ!」

ゴスッ!
悠「叩かれた」

福太郎「お尻くらいええやん」

クロ「よくねぇよ!」

悠「あ、そういえば都市伝説の発端にはいくつかのカテゴリーがあるな」

クロ「あ?」

悠「……」

クロ「なんだよ」

悠「怒ってる顔もキュート」

クロ「ゾッ…」

お仙『おめでとウ』

クロ「めでたくねぇ!!」

メリー「ねぇねぇご主人様、発端のカテゴリーって?」

福太郎「んーと、発端いうか創り方みたいな感じかな。昔から一番多いんは子供かな」

メリー「子供?」

福太郎「子供は、何が本当で何が嘘かを判断する能力があんまり身についとらんやろ?更に、子供はその独自の解釈能力で、都合のええように解釈する場合がある。つまり、流した噂がすぐさま姿かたちを変えて、誇大な情報となって伝染するんよ。子供によって作られた都市伝説は学校の七不思議なんかがあるやろ」

クロ「口裂け女とかもそうだな」

悠「あと、海外の噂とかも広まりやすい」

お仙『海外の噂……イギリスの飯はマズイ』

福太郎「それは堂々の事実やな」

悠「海外からの情報ってのは未知であると認識し、それが海外の文化なのだと信じる傾向にあるだろ。例えばだるま女として知られる都市伝説は非常に有名。まさかそんなことはありえるはずはないと思いながらも、もしかしたら自分が知らない海外ではありうるのかもしれないと信用してしまう。これも都市伝説の創作パターンのひとつだ」

福太郎「でも、何気にありえそうやもんなぁ。」

悠「服屋で拉致とか経験ないけども、裏通りで暴行受けて拉致られた事は何度かあるよ。日本で」

クロ「お前が歩んでる場所は多分そこだけ日本じゃねぇよ」
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