第七夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「んーん、無事に針妙丸ちゃんも帰ったし、なんや部屋が静かンなったな」

クロ「いや、そうでもねーだろ」

お仙『あーァーぁああァー♪』

メリー「全然違うー!あーあーあーあぁー♪」

お仙『あーァーぁああァー♪』

すっきー『逞しいくらいに音程がガタガタっすね』

お仙『そんなに褒めると照れるゾ』

すっきー『いや、褒めてないっす』

福太郎「……きっと、ええ夢見られるで」

クロ「どう考えても悪夢に魘(うな)されるだろ!!」

悠「胸を圧迫して寝るとエロい夢が見られるらしいべ」

クロ「どっから生えた!」

悠「そんなひとを松茸みたいに」

クロ「ベニテングダケにも失礼だろ!」

悠「いや、松茸より立派な物、股間にあるよ?」

クロ「砕け散れ!!」

福太郎「最近ぬるりと現れるよな」

悠「頑張って気配消してる」

クロ「なんでだよ!」

悠「……え?」

クロ「自分でも分かってねぇのかよ!」

悠「無意識につい」

福太郎「たまにあるよな」

クロ「ねーよ!!」

悠「それより聞いてくれよ。」

福太郎「ん?」

悠「昨日さ、帰りが遅くなったからダッシュで返ってたら突然、額に何かが当たったんだよ。そんで足元に何かが落ちたなと思って見てみたらカナブンだった」

クロ「……なんの話しだよ!」

悠「カナブンに自爆特攻された話し」

福太郎「カブトムシだったら危なかったかもな」

悠「まったくだ」

クロ「大して変わらねぇだろ!」

福太郎「んっ、いや、あるんで?そういう話しが」

クロ「は?」

【カブトムシが……】

ある若者がバイクにノーヘルで乗り、夜道を猛スピードで走っていました。

その若者は次の日、額に大きな穴をあけて死んでいるのを発見されました。

男の脳みその中にはカブトムシが入っていたそうです。


福太郎「っていう話し。」

クロ「マジかよ…」

悠「都市伝説だけどな」

クロ「都市伝説かよ!」

悠「カブトムシじゃないが、それの派生系の話しで、あかちゃんをつれて川沿いをベビーカーで散歩中に近所の人にあい立ち話しててあかちゃんから少し目をはなしてたらあかちゃんがへんな声をだしはじめた。慌ててみると甘いミルクの匂いにつられ赤ちゃんの口からなかに蛇が入り込もうとしていたっていうのを聞いたことがある。」

福太郎「都市伝説ってバリエーション豊富やからねぇ」

悠「まぁ、所詮は都市伝説だからな。ジョークネタだ。カブトムシが頭蓋骨貫通はスタンドでもない限り無理だし」

クロ「っていうか、すっごいこと言っていいか?」

福太郎「どしてん?」

クロ「都市伝説代表の隙間女とメリーさんが其処に居るんだぞ」

メリー「え?」

すっきー『はい?』

福太郎「……都市伝説もバカにでけんなぁ」

悠「夜散歩してたら美少女が拾える都市伝説はよ」

クロ「ねぇよ!」
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