第七夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「じゃあ、食べ物以外となれば……なんか特技は?」

針妙丸「打ち出の小槌を扱える程度の能力があります」

福太郎「……それって凄ぅない?」

メリー「打ち出の小槌って身長が大きくなるんだっけ?」

お仙『そうダ』

クロ「違うだろ。願いの叶う宝具の一種だろ」

針妙丸「はい、そうです」

福太郎「それを使わんってことは……使うにはなんかコストがかかるん?」

針妙丸「お察しの通り、打ち出の小槌とは、多大な危険性を孕む鬼の道具。その性質は因果応報と表現するべきか、「願いを聞き入れる代わりに、それに似合った代償を与える。大きすぎる願いは、叶う前に代償が現れる事もある」のです。私はそれで失敗をしてしまいました。」

福太郎「ナニカみたいな能力やな」

お仙『じゃあ、代償がトントンになる程度の願いを叶えたらいいんじゃネ?』

クロ「今の話しの流れで使わせようとしてんじゃねぇよ!」

お仙『でも、見てみたいじゃン』

福太郎「その気持は分かるわ。」

針妙丸「でも、今は小槌もってないから無理ですけどね」

福太郎「んっ、そっか」

メリー「そもそもお礼をお願いで叶えるっていうのも変だよね」

クロ「だったら供物でも捧げるか?」

福太郎「供物……お賽銭!」

クロ「金かよ」

お仙『オゼゼ』

クロ「金だろ!」

メリー「ラッキーペニーコイン」

クロ「結局は金だろ!だいたい何だよラッキーペニーって!」

福太郎「1セント硬貨やな」

お仙『ラッキー・ペニーとは、「幸運のコイン」「道に落ちているペニーを拾うとその日、運が良いわよ」、という意味。この信仰も、落ちているのを拾うだけではダメなよう「表」、つまり リンカーン大統領の顔面が上になっているのを拾わないといけないらしイ。」

クロ「あぁ、そう…。」

すっきー『ツッコミすら放棄したっすね。』

福太郎「んー、じゃあ、もうすぐ寒ぅなるし霊夢ちゃんは腋がでとるからマフラーとか手袋とかあげるんはどう?」

針妙丸「手袋!」

クロ「そして急に真面目な提案しやがるんだな……」

メリー「でも、手袋も結局買わなくちゃいけなくない?」

福太郎「毛糸を提供したげるから自分で作ったらどう?」

針妙丸「手作り……でも、大きさが」

福太郎「んー……そこが問題やな」

悠「指編みでやったらいいんじゃないか?」

福太郎「指編み?」

悠「ゆびリリアンと同じだ。、この小人ちゃんがやる気あるんだったら誰かが手を貸してやってそれに毛糸を巻き付けていく。多少時間がかかるけど普通にやって二時間くらいだから……夜中までにはできるんじゃね?」

福太郎「なるほど……っでも、俺は指編みとかでけんよ?」

悠「指編みから鉤針、ミシンまでおれは扱えますけど?」

福太郎「って、ことやけどどうやろうか?頑張れば夜中までに手袋できるっぽいけど」

針妙丸「私頑張ります!教えてください!ええと……誰?」

クロ「いつ入った、いつ現れた!」

悠「いや、ドアが開いてたから」

メリー「今さらだけど凄くビックリした…」

すっきー『幽霊以上に幽霊っぽいっすね……』

お仙『不法侵入じゃネ?』

悠「気にすんな」
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