第七夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

着物の小人「……んっ、うーん」

メリー「あっ、ご主人様。目を覚ましそう」

福太郎「おっ、そうか」

お仙『いきなり飛びかかるかもしれないゾ』

福太郎「ピグミースローロリスやないんやから」

クロ「なに?ピグモン?」

福太郎「ピグミースローロリス」

クロ「分からん」

お仙『サル目、曲鼻猿亜目の1種である。バングラデシュ、アッサムからベトナム、マレー半島、ジャワ島、ボルネオ島などに分布していル。』

クロ「あっはい」

福太郎「んっ、比較的に大人しい種の猿やけどね。昔飼いたいなぁ思ったこともあったわ。」

メリー「可愛いの?」

福太郎「見た目は可愛い、値段は可愛くない」

クロ「いくらくらいなんだ?」

福太郎「3~40万かな」

クロ「中古車買えるな」

福太郎「猿って結構お高いんよなぁ。しかも、寒さに弱いから部屋の温度は常時高めにせなアカンし」

クロ「ところで猿の話しいつまで続ける?」

福太郎「んー、もうちょいガンバろか?」

クロ「いいよ!そこでなんで頑張ろうとしてんだよ!!」

福太郎「俺のトーク力を試されよんかなぁって。」

クロ「試してねーし、こういう時だけ無駄に頑張るなよ」

福太郎「コミュ障なりの頑張りやったのに」

メリー「あのー」

お仙『どしタ?』

メリー「だいぶ前から気がついてもうハッキリおしゃべりできるみたいなんだけど」

針妙丸「どうも、すいません。少名針妙丸(すくなしんみょうまる)といいます」
ぺこり

福太郎「これはご丁寧に、御堂福太郎です」

クロ「大神クロだ」

すっきー『すっきーです』

お仙『笠森(御堂)お仙ダ』

メリー「メリーよ」

針妙丸「ところで、ここはどこなのでしょうか……昨夜、霊夢さんの肩に乗っていてはね飛ばされた辺りから記憶があいまいで……」

福太郎「ちょっと奈良漬けみたいになりかけただけや」

針妙丸「奈良漬け?!」

お仙『ホルマリン漬けでもありだナ』

針妙丸「いったい私の身に何が?!」

クロ「ほぼアルコールな、酒の中にダイブしただけだ」

福太郎「まぁ、それはおいといて……やっぱり昨日、小傘ちゃんをダンクシュートしたとき、入れ違いになったんやな」

針妙丸「ダンクシュート?!」

メリー「ちょっと投げ込んだだけだから、ダンクシュートじゃないよ」

針妙丸「投げ込むってことで驚きなんですけど……」

福太郎「気にせんといて」

針妙丸「んー、じゃあそうする。それで結局ここはどこなの?」

お仙『現世だ』

針妙丸「へ?」

福太郎「パタヤビーチへようこそ」

クロ「パタヤビーチってどこだ!」

お仙『タイ湾に面し南北に弧を……』

クロ「説明解説はいい!」
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