第禄夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「……っで、とりあえず一本見終わったけど」

小傘「……」
ちーん

クロ「駄目だな。グロッキー状態だ」

福太郎「途中から叫ぶ気力も無くなってたしな」

メリー「大丈夫?」

小傘「血が、血がどばーって……どばばー」

福太郎「駄目やね」

クロ「駄目だな。そういや……お仙も随分と静かだな」

お仙『……』

すっきー『お仙さん?』

お仙『ぐうぅ…ぐうぅ…』

福太郎「寝とる?」

クロ「寝てるな」

メリー「退屈だったんだね。」

福太郎「まぁ、ただ俺としてはホラー映画より目を開けて寝とるお仙が怖いけどね」

クロ「微動だにしてねーしな」

お仙『ぐうぅぅ…。』

小傘「うぅ…」

福太郎「方や爆睡、方や唸り。なかなか面白い」

クロ「いや、それは分からない」

福太郎「二本目いったら泣きだしそうやな」

クロ「やめといてやれ。何か哀れだ」

福太郎「ほんなら夕飯の準備でもしよか」

お仙『肉が良イ』

クロ「こーゆー時は起きるんだな」

お仙『よく寝たからお腹が空いタ』

福太郎「よく寝てよく食べてよく遊ぶと大きいなれるで」

お仙『わーイ!』

クロ「いや、死体は成長しないだろ」

お仙『すぐに死体死体というのはどうかと思うゾ』

クロ「いや、事実だろ」

福太郎「まぁでも動いて呼吸はしとるわけやし、微成長はするんちゃう?」

クロ「微成長ってなんだ…」

福太郎「爪とか髪とかが伸びる」

お仙『翼も生えル』

クロ「普通に生きてても翼ははえねぇよ!!」

お仙『尻尾は?クロだって生えたんだし』

クロ「私のはもともと生えてるんだよ!」

福太郎「尾てい骨で我慢しとき」

メリー「オプションでつけかえれないの?」

クロ「私らはお前と違って付け替えきかねぇよ!」

福太郎「移植手術っていうんもあるけど……」

クロ「それだって翼や尻尾は着けないだろ」

福太郎「未来ではあり得るかもな」

クロ「まぁ、でも、そういう意味だったら隣のりんねなんかは付け替え可能なのかもな」

福太郎「あぁ、右手と左手が逆にひっつくとか、首が後ろ向いたままとか」

クロ「ただの猟奇殺人の後だろソレ」

福太郎「……今日はレバ刺しとか」

クロ「やめろ。」

お仙『血の滴る肉はありダ』

クロ「トマトでも吸ってろ」

お仙『トマトないゾ』

クロ「ならケチャップでも吸ってろ!!」

福太郎「ケチャップ吸うんやったら直接ゃなーてお皿に移してやってな」

お仙『把握ダ。ケチャップケチャップ♪』

メリー「ホントに吸うんだ…」
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