第禄夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋の前ー

福太郎「んー……よう荒れとったみたいやけどなんも壊れては無いな」

りんね「あ、おはようございます」

福太郎「んっ、おはようございます。」

りんね「台風凄かったわね。」

福太郎「ほんまですねぇ。ここんところ連続やったし」

りんね「でも、昨日は何かやってたの?」

福太郎「はい?」

りんね「賑やかそうだったから」

福太郎「んっ……もしかして、うるさかったですか?」

りんね「ううん、そうじゃないの。楽しそうな声が聞こえてたから」

福太郎「いや、夜中に小腹が空いてタコ焼きやいてちょっとさわいどったんです」

りんね「まぁ、タコ焼きパーティ?」

福太郎「パーティいうほどのもんではないですけどね。」

りんね「いいわねぇ……」

福太郎「よかったら、りんねさんも今…」

りんね「誘ってくれる!?」

ズイッ!
福太郎「うわぉ」

りんね「ほんと、ホントに誘ってね…。もう夜暇だから、全然暇だから。」

福太郎「は、はぁ……」

りんね「というかね……もう何かする時、いつでもいいから一回声かけに来て夜中でも迷惑じゃないから」

福太郎「センセ?」

りんね「もう、独り身ってさびしいのよ……」

福太郎「もしもーし?」

りんね「あっ……お、おほほ。なんでもないのよ。」

福太郎「お疲れ……なんですね」

りんね「疲れてるのか溜まってるのか……」

福太郎「何がかは詳しく聞かんときますわ。まぁ、こっちから誘うんもやけど、センセも普通に尋ねてきてええんですよ。俺が居らんでも誰か知らはおるはずやし」

りんね「ほんと?そういってもらえると嬉しいわ……。私って何故か遊びにとか誘ってもらえないのよねぇ。嫌われてるってことではないはずなんだけど」

福太郎「まぁ、遊びに行った先で木っ端みじんになられたら色々こまりますからね。行って帰ったら目玉無くしてきたとか言われてもビビるし」

りんね「え?」

福太郎「いや、何でもないですよ」

りんね「そう?それじゃあ、またね」

福太郎「ええ、また」




ー福太郎の部屋ー

クロ「おはよう」

福太郎「ん、おはよ。起きとったんや」

クロ「頭に傘が倒れてきて起きたんだよ……」

福太郎「クロは寝てたら頭とか顔元に色々落ちてくるよな」

クロ「思わず傘叩き折ってやろうかと思ったよ」

福太郎「え、やるん?」

クロ「ちょっとワクワクしてんじゃねーよ。やらねーよ」

福太郎「やっぱりなんかあったらおかしいなるんかな」

クロ「傘が本体ってただろ。それに何かあったら困るだろ」

福太郎「せやけど、小傘ちゃんは爆睡で傘は放置やろ」

クロ「そうだな」

福太郎「……」

クロ「……」

福太郎「ちょっとまだ小雨は降っとるし……傘さして出かけてこよかな……コンビニでも」

クロ「止めはしないけどよ。」
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