第禄夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「んんーっ……小腹が空いた」

お仙『わかル』

メリー「お仙ちゃんあんなに食べてたのに」

お仙『育ち盛りなんダ』

クロ「死んでるだろ」

お仙『心は生きてル!』

クロ「あっ、はい」

福太郎「身体が生きとっても心が死んだら駄目やしね」

クロ「お前がいうか?」

福太郎「まるで、人の心が死んどるみたいな言い方して」

クロ「たまに死んでるだろ」

福太郎「たまにやん」

メリー「たまに死んでるの?!」

福太郎「たまーにね」

お仙『よくないゾ。死んだらつまらないシ。』

福太郎「お仙にいわれると説得力あるわ」

クロ「だろーね」

福太郎「ブローネ?」

クロ「いってねえ!」

お仙『それより小腹すいたよナ?』

「……」

クロ「お前はなんでそんな食欲あるんだよホント……」

お仙『育ち盛りだからダ』

クロ「もーいい!」

お仙『あんな感じでクロは怒りっぽいんだヨ』

「……」

メリー「ねぇねぇ、お仙ちゃんはさっきから誰に話しかけてるの?」

福太郎「誰にって……ん?」

傘を持った女「……」

福太郎「んーと……みんな、あの娘のこと見えとる?」

クロ「あ?……茄子色の傘持ってる女だな」

メリー「ナスビみたいな色した傘持ってる女の子」

すっきー『傘持った女の子っスね。ナスビ色した』

お仙『なんかさっきからいたゾ』

福太郎「よかった。俺だにしか見えん幻覚的な何かが見えだしたんとちゃうんやね」

クロ「そういうこというから、変なところで後ろ暗と思われるんだよお前は……」

福太郎「んで、お嬢さんお名前は?」

小傘「わ、わちきは多々良小傘!妖怪だぞー!バー!驚いたかー!」

福太郎「んっ、多々良小傘ちゃんやね。幻想郷から来たんやろ?博麗神社でおったらいつの間にかここにおった……って流れで」

小傘「びっくり!なんでわかるのっ?!」

クロ「お前が驚いてどうする……」

お仙『どういうことダ?』

福太郎「あのトンネルの絵あるやん。あれな夜中の0時になったときだけこっちの世界と幻想郷が繋がるんよ。ほんで、たまーに、こーやって知らん間に落ちてくる娘がおるって事」

お仙『なるほど、旅の扉だナ』

福太郎「間違いではないな」

小傘「えーと、わちきはどうなるの?」

福太郎「んー、最短でも明日の0時にならんと幻想郷には帰れんから……ゆっくりしていって」

クロ「それしかないわな」

お仙『そうと決まったら小傘との出会いに宴会ダ』

クロ「何か食いたいだけだろ!」

福太郎「ほんならまぁ軽めにってことで」

クロ「軽めにはするのかよ!」

メリー「私はメリーちゃん。よろしくね小傘ちゃん」

小傘「よろしく~」
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