第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「あんまり聞きたぁないんやけど。なんで居るん?」

後楽「それはだな。ここが結構居やすいことに気がついたからさ。女も居るし」

すっきー『めっちゃ見られてるっス……。』

悠「おれが言うのもなんだがヒヒ爺だからセクハラが性質悪いぞ」

後楽「セクハラじゃなくコミュニケーションだ」

悠「世間ではそれをセクハラっていうんだよ」

すっきー『お前がいうなっス』

福太郎「悠、悠。」

悠「あー?」

福太郎「すっきーが「お前が言うな」って」

悠「どこだ、どこにいる?つねってやる。」

すっきー『何処をっすか?!』

後楽「そりゃ乳首だろ」

福太郎「ストレートやな。しかもマニアックな」

悠「よし、おおよその位置だけ言ってくれ。狙ってみる。」

すっきー『手の方向が微妙に定まってるのが怖い……。』

後楽「ということで兄ちゃん金貸してくれ」

悠「どういうわけでそーなった。」

後楽「倍にして返す」

悠「収入零のクソニートに貸す金はない」

後楽「お前よォ少しは口のきき方に気をつけろよ。無職は全員ニート扱いか!働きたくても働けねぇ無職はニートっていわねぇんだよ!」

福太郎「働く気あるん?」

後楽「は?あるわけねぇだろ」

悠「似たような会話まえにもしたけど、テメェこそ口のきき方に気をつけろや!!ボケ狸が!!」

後楽「ということで借りてくぜ」

悠「あっ!クソっ、また抜かれた!!」

福太郎「坊さんっていうかスリやね……。」






ー屋外ー

後楽「……」

悠「くそーおれの大事な軍資金を……」

福太郎「つけてどないするん?」

悠「何に使うのか見届けてムカつくから無駄遣いした瞬間……奴を財布ごと焼く」

ごおぉぉぉ!

福太郎「そのターボライターの火力はライターの域を超えとるなぁ……あれ、どっかはいってたっで」

ー児童養護施設ー

悠「養護施設……なんであいつが」

後楽「おーす、お菓子持ってきたぜー」

男児童A「わーい、おじさーん」

女児童A「おいちゃんだっこー」

男児童B「おいちゃんすきー」

悠「なんだアレ何してんだ信じられん。狸オヤジが何ハートフルなことになってんだ。超いい人っぽい感じになってる。ヤダコワイ」

ごっ!ごっ!ごっ!

福太郎「悠くん、ゆーうーくん」

悠「お、おう?」

福太郎「落ち着こう、一回落ち着いて改造ターボライターを連打するん止めよう。その行動がめっちゃ怖いから」

悠「落ち着け…………心を平静にして考えるんだ…こんな時どうするか……2…3…5…7…落ち着くんだ…『素数』を数えて落ち着くんだ…『素数』は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字……わたしに勇気を与えてくれる」

福太郎「プッチになっとるで……それで落ち着くんやったらええけど…。」
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