第禄夜『福太郎の不思議な日常』

ー池袋:とある飯屋ー

医者「それじゃあ、くれぐれも安静に」

久三「へぇ、お世話ンなります」

テシロ『……』

てしてし
久三「おや、テシロかい」

テシロ『ざ~りざり、ざ~りざり』

久三「これこれくすぐってぇよ。お前たちが傷をなめて治すのとは違うんだぜ」

テシロ『なぁーご』

久三「ははは、お前は優しい子だ。ありがとうよテシロ」



ーとある神社ー

テシロ『……』

クロ「やっぱり来たか。一番近い社があるのはここだしな」

テシロ『大神様…』

クロ「止めはしないさ。止めてもやるんだろ?」

テシロ『はい。』

クロ「……なら、三日だな」

テシロ『はい?』

クロ「三日後、満月になる。それまで続けるならきっと願いはかなう。」

テシロ『それは……ありがとうございます。』

クロ「礼をいうのは私にじゃないしやり遂げれるかどうかはおまえ次第だ。」

テシロ『はい。誠心誠意頑張らせていただきます。』

クロ「……」



ー福太郎の部屋ー

福太郎「おかえり」

クロ「ただいま」

お仙『どこいってたんダ?』

クロ「散歩だよ」

お仙『お散歩大好きっ娘カ』

クロ「……」

福太郎「どないかしたん?」

クロ「別に……」

福太郎「その割には眉間にしわよっとるで」

クロ「………頼みをひとつきいてくれないか?」

福太郎「ええよ」

クロ「内容も聞かずに即返事かよ」

福太郎「クロからのおねだりなんてお酒目的以外では珍しいし」

お仙『首輪?リード?それとも蚤取り粉が欲しいのカ?』

クロ「少し黙ってろ!」

お仙『しゅン』

クロ「口でいってんじゃねーよ!!」

福太郎「ほんで何して欲しいん?」

クロ「猫のエサ。いいのを用意して欲しい」

福太郎「んっ、猫缶でええの?」

クロ「それで構わない」

福太郎「どのくらい?」

クロ「三日分……だな。ソレ持って夜中ちょっと付き合ってれ」

お仙『分かっタ』

クロ「お前じゃねーよ!!」
83/100ページ
スキ