第禄夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「たーいま」

お仙『たらいモ』

メリー「おかえりなさーい」

すっきー『お帰りなさいっス』

クロ「ただいまもまともにいえないのかお前らは」

福太郎「すまんな、母さん」

お仙『ママン、すまんナ』

クロ「やめろぶっ飛ばすぞ」

福太郎「照れんでええんやで」

お仙『ええんやデ』

クロ「よし、歯ぁ食いしばれ」

福太郎「おっとからかい過ぎた」

お仙『足は肩幅に開き大地を踏みしめ腹筋に力を込めて奥歯を噛みしめル。さぁ来イ!』

クロ「そんな本気の奴を殴りたくねぇよ!」

福太郎「そんなことせんでも素で硬いしな」

お仙『将来はメタルキョンシーになりたイ』

クロ「それ、ただのターミネーターじゃね?」

お仙『なん……だト……』

クロ「やっぱり殴るか……」

お仙『こういう風に語るとお洒落だとネットには書いてあったの二』

クロ「死人がネットに踊らされんな」

お仙『誰が死霊の盆踊りダ!』

クロ「腐りかけの脳味噌に無駄な知識ばっかり詰め込んでんじゃねぇぇぇ!」

福太郎「そろそろ吉本に行く?」

クロ「お笑いコンビじゃねぇよ!!」

福太郎「……松竹がええ?」

クロ「事務所の問題じゃないから!」

福太郎「あははは」

クロ「なんなんだコイツ……」

お仙『御堂福太郎だヨ』

クロ「そういう意味じゃねぇよ!!」

すっきー『もうすっかりお仙さんの玩具になってるっすね。』

福太郎「良きかな良きかな」
がたがた

メリー「あれ、ご主人様。絵描くの?」

福太郎「んっ、ちょっと頼まれゴトしてな。クロ、悪いけどおでんの下準備は任せるわ」

クロ「それはいいけど誰になに頼まれたんだよ」

お仙『猫に猫の絵をたのまれタ』

クロ「……っで、誰に何を頼まれたんだよ?」

すっきー『スルーしてっすね。』

福太郎「んっ、ホンマに猫に猫の絵を頼まれたんやで。」

クロ「どういうことだよ……」

福太郎「なんや、飲食店で飼われとる子らしいんやけど歳とって自分で鼠とれんようなったから鼠避けの猫絵を描いてほしいって」

メリー「へー、賢い猫ちゃんなんだね」

クロ「他にツッコムことあるだろ……」

福太郎「んっ、ツッコムと言えば……あの時、翻訳してないのにお仙が猫の言葉理解しとったけどお仙も動物と話せるん?」

お仙『話せないゾ』

福太郎「ん?」

お仙『私は動物とは話せなイ。』

福太郎「せやけど、話しとったやん」

お仙『あの時は聞こえた』

クロ「あの時はってなんだよ」

福太郎「どういうことやろ?」

紫「変化しているのかもね」

福太郎「んっ、どうも」

紫「はぁい……って、アナタって本当に肝が据わってるわね。」

福太郎「いや、めっちゃ驚いてますよ」
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