第禄夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「んー、なんや朝夕冷えてきとるなぁ」

クロ「そうだな」
ほかほか

福太郎「……ほかほかしとるよ?」

クロ「私だって別に朝から風呂に入りたくねぇよ!」

お仙『さっぱりしタ~』
ほかほか

クロ「コイツ……本当にキョンシーかよ」

お仙『あぁん?なんだっテ?』

クロ「キョンシーを否定されるのは怒るのかよ!」

福太郎「だったら、キョンシーらしくとか思ってひとを襲ったらアカンよ」

お仙『……わかっタ』

クロ「間があったぞコイツ」

お仙『気のせいダ』

福太郎「なら、よし」

クロ「早ぇぇよ!」

福太郎「今日はおでんにしよか、お酒とおでん」

クロ「おでん、お酒……いいな!」

お仙『こんなクロの笑顔初めてみタ』

福太郎「単純でかわええやろ?」

お仙『確か二』

クロ「うるせぇよ!」

福太郎「笑えよベジータ」

クロ「誰がM字ハゲ王子だ!」

福太郎「そこまで言うたら可哀想やん」

お仙『ブロリーでス』

クロ「お前もうるせぇな!」

福太郎「ほんなら……買い物いってこよかな。お仙」

お仙『いってらっしゃイ』

クロ「着いていって荷物持ちしろよ!」

お仙『キョンシージョークだヨ』

クロ「うるせぇ!」

福太郎「はいはい、クロの「うるせぇ」が三つたまったしいくで」

お仙『おー』

クロ「なんだ私の「うるせぇ」が溜まったって、おい!おぉぉい!」





ー夢見長屋界隈:廃校近くー

福太郎「寒いかと思ったけどそこそこ暖かいな」

お仙『曇りなのがいイ』

福太郎「秋と冬場はともかく春とか夏とかはどないするん?」

お仙『日焼け止めクリームを塗りたくればいいらしイ』

福太郎「陽の光いうか紫外線が駄目なんやな」

お仙『こんがり小麦色になれなイ』

福太郎「なりたかったん?」

お仙『すこし興味あっタ』

福太郎「何気にギャルやな」

お仙『イエーイ、きゃぴきゃピ』

福太郎「辛ぁない?」

お仙『今度クロにやらせよウ』

福太郎「楽しそうやけど無理やろ」

『もし、もしもし?』

福太郎「ん?なんかいうた?」

お仙『いってなイ』

『こっちです、下です』

福太郎「下、あっ。」

お仙『おっ、猫ダ』

白猫『すみません、お間違いなら申し訳ないですが御堂福太郎様ですか?』

福太郎「はい、御堂福太郎です」

お仙『お仙だ。笠森お仙』

福太郎「笠森ではないやろ」
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