第禄夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「んー……はー……飽きた」

クロ「そりゃ飽きるだろうよ。よくもまぁ何時間も同じ字を書き続けられるな。崩壊するだろ……えーと……げ、ゲシゲシ……」

福太郎「ゲシュペンスト」

クロ「それ、ゲシュペンスト崩壊」

お仙『ゲシュタルト崩壊じゃネ?』

クロ「……騙したな!」

福太郎「んー、ゲシュペンストと勘違いしただけやで~」

すっきー『わぁ、嘘っぽいっす』

福太郎「んっ、嘘やで」

クロ「正直か!」

福太郎「はー……ちょっと肩揉んで」

クロ「嫌だよ」

福太郎「ケチやなぁ」

お仙『私がしてやるヨ』

福太郎「……肩たたき?肩揉み?」

お仙『揉むほうが得意ダ』

福太郎「……ちょっとクロの肩を揉んでみて」

クロ「私で安全性を試すな!」

お仙『痛いのは一瞬ダ』

すっきー『捉え方によっては恐ろしい意味になるっすね』

クロ「怖い意味しかねぇよ!」

福太郎「…お仙ちゃん」

お仙『はイ?』

福太郎「箸とかは使えとったけど、力加減はでけるんよな?」

お仙『もちろんダ』

福太郎「……クロ」

クロ「なんだよ」

福太郎「生玉子と小皿とってきて」

クロ「…わかった」

福太郎「お仙、ちょっとこれ割ってみて」

お仙『分かっタ。とりャ!』

スパッ!
パキャッ!ぽちゃん!

すっきー『まさかの手刀?!』

お仙『どやァ』

クロ「誰が断てっていった。断てって!」

福太郎「これはちょっと面白かった」

お仙『いえイ。』

クロ「いや、面白い、面白くない判定じゃないだろ!」

福太郎「せやけどこういう技術があるってことは力加減できるってことやろ」

クロ「そうかな…」

福太郎「ということで……クロ、肩揉んで」

クロ「結局私かい!」

福太郎「そんでクロの肩をお仙が揉もう」

クロ「……って、結局実験台じゃないか!」

福太郎「脆弱ひ弱貧弱の俺では手加減されてもダメになるかもしれんやん。クロはホラ頑丈やし」

クロ「嫌だ!」

お仙『しかし、後ろに回り込んダ』

ガシッ!
クロ「うぉっ?!に、逃げられない!」

お仙『任せとけ、身を楽にしているといイ』

ググッ!
クロ「ち、力でねじ伏せられるっ……!」

福太郎「仲良し!」

すっきー『そ、そーっすねー』

クロ「おいぃ!!」

お仙『よいしョー!』

ゴキキッ!
クロ「ぎっ!?」

福太郎「南無三」
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