第禄夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

ラム「違う、違う。そうじゃない」

福太郎「んっ、ええと、こうですか?」

ラム「曲がり過ぎ、止めはねはきちんとする。」

福太郎「んっー……難しいなぁ」

由乃「少し休憩したらどうですか?」

ラム「そうね……根詰めてやってもダメだろうし」

福太郎「習字なんていつぶりやろか」

ラム「習字は習字でもお札として効力を発揮する呪字なんだからね」

クロ「でも、福太郎が書いて効果あるのか?」

ラム「鳥の血ともち米と墨を混ぜたもので書いたら効果はあるわ。もちろん、ちゃんとかけてたらだけどね」

福太郎「字より絵のほうが書き慣れとるんやけどなぁ」

クロ「そらなぁ…」

ラム「でも、いつも私の札があるとは限らないし、自分で書けるようになっておいた方がいいでしょある程度は」

お仙『はー、いいお湯だっタ』

メリー「ほっかほかぁ」

クロ「アイツ……何気に風呂二回目じゃね?」

お仙『一日三回入ってもいイ』

クロ「潔癖症か!」

お仙『全然そんなことはなイ。でも、風呂は好きダ』

福太郎「キョンシーって風呂好きなん?」

ラム「そんな話は聞いたことないわね」

お仙『お風呂好きなキョンシーが居たっていいじゃなイ!』

福太郎「せやねっ!」

クロ「なんなんだお前らのテンションは……」

福太郎「夜中テンション?」

由乃「まだ九時前ですけどね」

メリー「よい子は寝る時間」

お仙『夜は墓場で運動会』

クロ「やかましい」

福太郎「そういえば……りんねセンセも半身浴で一時間は入る言うてたな……アンデット系のは女性はお風呂好きなんかも知れんで」

クロ「そんな考察いらないから」

福太郎「ちなみに半身浴してときどき上半身と下半身がべきっとなるときがあるらしい」

クロ「だからそういう情報いらねぇよ!」

ラム「そういう話ししかしなイの?」

福太郎「ん……わりとそうかも。」

由乃「りんねさんはそれでも色々とお元気ですよね」

クロ「こいつもな…」

お仙『ごっくごくっ……ぷはー、トマトジュース美味シ!』

ラム「……元気過ぎるわね。ホント」

福太郎「少年漫画では一度死んでからパワーアップして復活するって王道やし」

ラム「パワーアップなの?」

お仙『金髪にはならないヨ』

クロ「そういう知識は豊富だな…」

お仙『記憶力はいイ。思い出せないだけデ。』

クロ「ダメだろソレ」

福太郎「そこはクロがプロンプターになったらええんとちゃう?」

クロ「なんでだよ」

メリー「プロンプターって何?」

ラム「……さぁ」

由乃「プロンプターっていうのは舞台演劇において、出演者が台詞や立ち位置、所作を失念した場合に合図を送る(プロンプトを行う)ことを役割とする 舞台要員(スタッフ)のことですよ。」

福太郎「クロがキーワードを出してお仙がそれを説明する。この流れを組みこめば笑いの新しい可能性が開けるって」

クロ「開くかそんなもん!」
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