第禄夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

こんこん

福太郎「はーい」

由乃「こんにちは」

福太郎「んっ、こんちわ。すんません急に無理いうてすんません」

由乃「いえいえ、こういうのも仕事のうちですから。それで……」

福太郎「んっ、仙。お仙ちゃん」

お仙『ンー?』

由乃「こんにちは」

お仙『こんにちハ』

由乃「初めまして私は大車由乃っていいます。これからよろしくね。お仙ちゃん」

お仙『よろしクー。けど、なにヲ?』

由乃「色々とサポートかな」

お仙『ツッコミとかカ?』

由乃「え?」

福太郎「そんで、お仙は一応歪業屋ってことで家で面倒見ようとおもっとるんやけど」

由乃「はい、その事なんですけど。いきなり歪業屋として仕事をさせるわけにはいけないので……形としては歪業屋志望の妖怪さんとして襖係に登録して、最終的に歪業屋になるってことでどうでしょうか」

福太郎「んっ、それでええですよ。」

由乃「それじゃあ、これが必要書類なんで書いて郵便してください」

トサッ
福太郎「結構おおいな」

由乃「色々と前例が無いことですからね。でも、陰陽道士連合会の人たちは感謝してると思いますよ」

福太郎「ん?どゆこと」

由乃「予定外のキョンシーを引き取ったんですから感謝もされますよ」

福太郎「そういうもんなん?」

クロ「ってか、ラムのほうから連絡いってるんだろ?」

由乃「そのはずです」

クロ「だったら書類とかそっちでどうにかしろよ」

由乃「す、すいません」

福太郎「こらこら、由乃さんにいうてもしかたないやろ」

お仙『尻尾ブラッシングしてやるから落ち着ケ』

クロ「しなくていいよ!」

ベシッ!
お仙『遠慮するナ』

ググッ
クロ「ひるまず前進してくるんじゃねぇ!!」

福太郎「すんませんねぇ」

由乃「あ、いえ、いいんですけど。仲いいですね」

福太郎「なんや、ベストコンビなんですよね。」

クロ「コンビを組んだ覚えはねぇ!」

お仙『尻尾触らせロー』

クロ「ブラッシングじゃ無くなってんじゃねぇか!!」

福太郎「仲良きかな良きかな」

由乃「はは……」

福太郎「んっ、せや由乃さん時間あります?」

由乃「ありますけどどうしたんですか?」

福太郎「よかったら買い物付き合ってくれません?」

由乃「……ええっ?!それって……もしかしてデー」

福太郎「お仙ちゃんの服とか買いに行きたいんで見立てたってください」

由乃「…………はい」

お仙『よろしくおねがいしまスー。』
わしゃわしゃ

クロ「いい加減に尻尾を離せっ!」

ガスっ!
お仙『犬尻尾犬尻尾』

福太郎「不動やね」

由乃「キョンシーさんは固いって本当なんですね…」
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