第禄夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

クロ「本当にキョンシー拾うのかよ」

福太郎「んー、まぁ、現物見てからやって。中古車やっていろいろ見てから決めるやろ?」

クロ「キョンシーは車じゃねぇ!」

メリー「でも、運動能力高いって言ってたし……乗れるかも!」

福太郎「キョンシーの肩に乗って近くに買い物……ちょっとハードやな」

クロ「ちょっとじゃねーよ!どう考えても通報もんだよ!」

福太郎「……池袋やったらセーフやって」

クロ「池袋でも肩車して移動してるやつなんていねぇよ!」

福太郎「せやけど……俺大よそ70~80のばあさまがセーラー服着てあるいとったり、何故かブラジャーで後ろ髪を結っとる30代後半のおじさんとか見たことあるで。池袋で」

クロ「……」

すっきー『けど、実際キョンシーの運用法なんてあるんすか?』

福太郎「運用法っていうか……まぁ、最終的にはりんねセンセみたいになれたらええんとちゃうかな思ってな」

クロ「あ?」

福太郎「生き返って能力は高いんやったらちょーっと訓練いうか勉強したら普通に生活でけるようなるんちゃうかなーって」

メリー「ご主人様いろいろ考えてたのね!」

福太郎「んっ、こういうこというといたらソレッぽう聞こえるやろ?」

クロ「つまり何も考えてなかったと」

福太郎「んっ、ただの興味本位」

クロ「最低だな!」

福太郎「まぁまぁ建前が善意やし」

クロ「お前なぁ」

悠「偽善で生きてナニが悪い!」

クロ「どっから現れた!」

悠「玄関から息を殺してダンボールを被ってゆっくりゆっくりと侵入した」

福太郎「ユネーク」

悠「フクゴン」

クロ「いいよ!そういうのは!」

メリー「っていうか、ダンボール大きいね。」

悠「大型冷蔵庫用のだ。コレじゃなきゃかぶれなかった。」

すっきー『なんで私らこんなのが蠢いていて気がつかなかったんっすかね。』

悠「ダンボールのステルス力舐めんな!」

福太郎「あれ?悠、すっきーの声きこえたん?」

悠「勘。そろそろ何かいうと思ってな」

クロ「おかしいだろ!」

悠「はははっ、おっかしー」

クロ「そのおかしいじゃねぇよ!!」

悠「銃弾……もとい、冗談はおいといて、昨日電話くれた?」

福太郎「あぁ、キョンシーいらんって電話」

悠「……」

福太郎「……」

悠「キョンは八丈島で暮らしているのがいいんじゃないかな」

福太郎「いや、キョンやなくてキョンシー」

クロ「そらまぁいきなりキョンシーいらないかとか聞かれたら困るわな」

悠「そのキョンシーって男、女?」

福太郎「女らしいよ」

悠「それは興味深くなってきたな」

クロ「お前らは性別は必ず聞くんだな」

悠「大事な事だからな。」

福太郎「大事なことやね。」

メリー「じゃあ、キョンシー欲しいの?」

悠「いやー、さすがに犬猫じゃないから返事ふたつではもらえないな」

クロ「だよな」

悠「でも、福ちゃんは犬からなにから拾って……」

クロ「だから私を拾い犬扱いすんな!」
55/100ページ
スキ