ｰ福太郎の部屋ｰ

福太郎「暑い……よし、出かけよか」

悠「どこに?」

福太郎「エアコンがきいとるところ」

悠「安定、按配の避難場所だな」

福太郎「せやろ。というか、もう日中に部屋におれん暑さいうんが認めたぁないんやけどね。」

クロ「たし……かに……」

悠「……舌ださないの?」

クロ「あ?」

悠「犬は暑くなると舌を出して体温調節をする」

クロ「犬じゃねぇ…」

悠「反応が薄いな」

福太郎「クロはやや暑さに弱いタイプやから」

悠「なるほど、でも真桜ほどではないな。真桜は冷蔵庫みたいな温度の部屋でピクリとも動かないから」

すっきー『それ、死んじゃってませんっすか?』

悠「冬眠ならぬ夏眠してるだけだ」

メリー「夏眠なんてはじめて聞いた」

悠「おれは冬眠したいけどな」

福太郎「耐寒性マイナスはマイナスで大変やな」

悠「向日葵のような男だとよくいわれるよ」

メリー「向日葵に謝って!」

悠「まさか、向日葵に謝罪をしろといわれた?!」

福太郎「遺恨を残さんために謝っといてもらえる?」

悠「あ、はい……向日葵さんごめんなさい」

クロ「なんだこれ…」

悠「おれが聞きたい」

福太郎「気はすんだ?」

メリー「うん」

悠「そこまで悪いこと言ったかな?」

アリス『向日葵って言うより……ヘクソカズラとかの方がいいと思うの』

悠「却下」

アリス『ラフレシア』

悠「ダメ」

アリス『木瓜』

悠「あれか?おれってそんなに臭いか?ん?」

アリス『そこそこ汗臭い』

悠「まぁ、夏場ですから。雨にぬれた犬の匂いとかしないだろ?」

クロ「どういう意味だゴラァ!」

悠「いや、雨にぬれた犬ってものっそい匂いかるじゃん?」

福太郎「乾く寸前が特になぁ」

クロ「それは私が臭いってのか?あ?」

悠「クロはいい匂いがする」

福太郎「せっけんの香りやね。」

メリー「あと、柔軟剤の匂い」

アリス『メス犬の臭い』

クロ「最後なんていったコラ」

悠「発情したメス犬の匂いとはいってなかったはずだ」

クロ「テメェが今いったな!いいやがったな!」

福太郎「犬の発情期って一年に一回やっけ?」

悠「年中発情してるのは人間と兎だけだ」

メリー「兎も?!」

悠「兎は旺盛なんだよ。性欲」

アリス『悠と同じね』

悠「……まっ、否定はしません」

クロ「少しはしろ!」

福太郎「若いなぁ」

悠「いや、福ちゃんも若いでしょ」

福太郎「んー……まぁ、若いかな」

クロ「なんで曖昧なんだよ」