ｰ福太郎の部屋ｰ

福太郎「それで、何にしょうか。ピザでもとる?」

悠「福ちゃんの手料理が食べたぁいん」

福太郎「……」

悠「引くなよ」

メリー「気持ち悪ぃ……」

悠「おい、こら媚び人形」

ようよう「兄さん、今のはねぇぜ。ふー……」

悠「……好きだ!!」

福太郎「まさかの大告白」

悠「いや、まえから福ちゃんのことは好きだべ?」

福太郎「ん、んー……まぁ、ありがとぅ。」

悠「どういたしまして」

メリー「なにしてんの?」

悠「愛のショートコント」

福太郎「コントではないと思うけど……。まぁ、ええわ。ほな、なんかつくろかぁ?いうほど大したもんは作れんで?」

悠「素人がオリジナリティに手を出して味も見た目も最悪な異物を出されなかったら大抵のものは食べるよ」

福太郎「なんかトラウマあるん?」

悠「いや……べつに……。俺が悪いんだ。ハッキリとマズイと言えないから……くっ!」

福太郎「一人称が漢字表記になるほどの本気やん」

悠「おれもな、あの人以外なら明らかに不味い物を出したら女子供関係なく怒鳴り散らすんだけど」

福太郎「それはそれで……ちょっとアカンと思うよ」

悠「まぁ、そんなことはどうでもいい。それよりご飯だ」

福太郎「なにピザにする?」

悠「あ、もうピザ頼む気満々なんだな。よし、分かった。ジャーマンスペシャルXLで」

福太郎「それ、ひとりで食べきる気やろ」

悠「うん。あ、ちゃんとお金は払し交換は全然するよ」

福太郎「ほな、俺はミックスピザにしょーかな」

悠「ピザ食ったら出かける?」

福太郎「ん、別にええけど。どっか行きたいところあるん?」

悠「行きたいところっか、目的をもって街をブラブラした記憶がほとんどない」

福太郎「わぁ……見事な放浪癖」

悠「歩いてるうちに何か面白そうなことにブチ当たるからな。大抵は」

福太郎「当たらんかったら?」

悠「どつかで休憩して何か喰って帰る」

福太郎「悪うは無いね。そういうん好きや」

悠「だろぅ。っか、今なら何処でも桜咲いてるだろうし。それ見にいこうぜ」

福太郎「桜かぁ……。ん、一枚描いてみるんもええね」

悠「そういや。おれ、福ちゃんの絵もらったことないな」

福太郎「え?」

悠「一枚描いたら売ってくれないか?」

福太郎「売ってって……ええよ、ええよ。描いたらあげるよ」

悠「いやいや、買わせてほしい。そんかし値段はおれが絵のでき具合に対して決めさせてくれ」

福太郎「それはなんや緊張するなぁ」

悠「気楽に書いてくれていいからさ」