第禄夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「ただいまー」

すっきー『おかえりなさいっす』

クロ「うぅ……」

すっきー『どしたんすか…?』

幽香「子ど見たいにはしゃいでかき氷を山盛り食べたのよ」

すっきー『へぇ、クロさんもそんなときがあるんすね。』

クロ「違う……が、もういい……」

福太郎「まいっとるな」

メリー「なにげに完食したもんね。」

福太郎「根性はあるんよね」

幽香「根性の見せどころが間違ってるけどね。」

クロ「うるせー……」

福太郎「そういえば幽香さん、今回は何泊のご予定で?」

幽香「今夜帰るわ」

福太郎「んっ、そうなんですか?」

幽香「えぇ、花の様子を見に来ただけだし」

メリー「ちぇー」

幽香「またすぐに来るわよ」

クロ「あぁー……正露丸、正露丸準備しといてくれ」

福太郎「完全にお腹壊すフラグたっとるやん」

クロ「あんなもん食ったら腹も壊すわ……」

幽香「ダメよねぇ。暑いからってつめたいものばっかり食べちゃ」

クロ「おーまーえーなぁ……」

幽香「ん?なぁに?」

クロ「くっ……」

福太郎「笑顔は真の恐怖」

すっきー『ホントっすね……』

幽香「あ、そうだ。ちょっと頼みたいことがあるんだけど?」

福太郎「んっ?なんです?」

幽香「小ぶりでキレ味のいい刃物が欲しいんだけど」

福太郎「……」

幽香「なに、その目は?」

福太郎「あ、いや……いきなり刃物が欲しいとかいわれたもんやから」

メリー「何切るの?」

幽香「普通に料理に使うのよ、もちろん」

福太郎「さいですか……せやけど、包丁なんかはそっちでも普通に手に入るんちゃいますの?」

幽香「ええ、だけど、こっちにある物の方が質はいいでしょ」

福太郎「んっ、まぁ高いもんやったらそら質はええでしょうけど……」

幽香「そう、ありがとう」

福太郎「んっ、いや……高いもんはですから」

幽香「嬉しいわ。わざわざ高い物をくださるなんて」

福太郎「うわぉ……」

すっきー『まるでハメ技っすね。』

クロ「やめとけ……下手なこといったら目になんかを突き付けられるぞ」

すっきー『お口チャックっす』

福太郎「刃物って包丁でええんですよね?」

幽香「えぇ、料理に使えるのならナイフでも構わないけど、包丁がいいわねぇ。」

福太郎「せゃったら……ちょい待っててくださいよ。確か……」

ガサゴソ…

メリー「ご主人様、押入れに何かあるの?」

福太郎「んっ、あった。コレなんてどうです?」

幽香「あら、いい包丁じゃない。」

福太郎「でしょう。切れ味はゴツイらしいですよ」

幽香「らしいって?」

福太郎「隣に住んどる人からもろたんですけど……なんや切れ味良すぎていっぺん指落としてしもたらしいんですわ」

幽香「……人が指落とした包丁を渡してくるなんて中々の根性ね。」

福太郎「ちゃんと洗っとるらしいんで……。多少曰くつきでも幽香さんやったら平気かなって」

幽香「アナタもたまーに失礼よね」
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