第禄夜『福太郎の不思議な日常』

ー夢見長屋近くの畑ー

幽香「ふぅ、綺麗になったわね。」

福太郎「ホンマですね。」

クロ「はぁはぁ…」

幽香「あら、若いのに息なんかあがっちゃってるじゃない」

クロ「あ、明らかに私が一番重労働してんだろ……」

福太郎「ゴミ集めて運んで、よう頑張ったと思うよ」

クロ「どうも……」

幽香「ご苦労様。犬」

クロ「全然、思ってないだろ。この野郎」

幽香「野郎じゃないわ。」

ヒュッ!
クロ「だ、だから日傘を……」

福太郎「これはそういう業界ではご褒美のプレイなん?」

クロ「業界でも拷問だろ!っていうか、私はマゾじゃねぇ!」

福太郎「ほんなら帰りますか」

幽香「そうね。」

クロ「やりっぱなしで放置かよ……」

福太郎「刺されたら嫌やろ?」

クロ「嫌とかじゃなくて大惨事だろ!」

幽香「眼帯、似合うと思うわよ♪」

クロ「そんな進められかたしたくねぇ」

幽香「いいから帰るわよ」

メリー「どろたぼー、またね」

泥田坊『へい、また』

幽香「あっ、手が滑ったわ」

ズバァァァン!
泥田坊『最後までぇぇぇ!』

メリー「ゆうかりん酷い」

幽香「手が滑っちゃったのよ。」

福太郎「クロ、わりと注意しとかな手が滑ってさっくりいかれるで」

クロ「勘弁してくれ。独眼狼になんかならないぞ」

幽香「独眼犬」

クロ「うるせーよ!」

福太郎「ところで幽香さん」

幽香「なに?」

福太郎「今さらですけど服装が夏仕様ですね。」

幽香「あぁ、暑いしね。っていうか、ほんと今さらね。」

メリー「ノースリーブ」

福太郎「俺、好きなんですよね。ノースリーブの襟あるシャツ」

幽香「あら、そうなの。じゃあ、見学料もらっちゃおうかしら」

福太郎「帰りしなにどっかの店で冷たい甘いもんでどうです?」

幽香「あら、いいわね。」

福太郎「でしょう。なので、ときどきガン見させてもらいますね。」

メリー「ご主人様、スケベなんだかそうじゃないんだかわからない」

幽香「フェチって言うのよ」

福太郎「んっ、多分それが大正解やと思います」

クロ「大正解ってなんだよ……」

福太郎「クロの背中とかも好きやで?」

クロ「別に言わなくていい」

幽香「あら、お暑いことで」

福太郎「そんなんやないですよ。女性の背中に限らずピンっとはった背中ってええですやん。猫とかが背伸びしとるときとか」

クロ「わかるようで分からん」

幽香「上級者向けなのね。」
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