第禄夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「んっ……ん…おぉ、いつの間にや寝てしもとったか」

幽香「嵐も去ったみたいよ」

福太郎「んっ……おはよさんです。早起きで」

幽香「そうでもないわ。ちゃんと早寝をしたメリーちゃんに私も起こされたし」

メリー「皆雑魚寝してだらしないよ」

福太郎「俺はええんよ。」

メリー「どうして?」

福太郎「女性と肩並べて寝れるわけやし」

メリー「ご主人様、えっち」

福太郎「男の子ですから」

幽香「っていっても、意識なかったでしょ?」

福太郎「まぁ、そうなんですけどね。」

クロ「しかし、台風が過ぎたら即この天気かよ」

福太郎「よう晴れとるなぁ」

幽香「ピクニック日和ね。」

メリー「ピクニック!」

福太郎「ピクニックという名の?」

クロ「農作業……」

幽香「土が濡れてるだろうから本格的なことはしないわよ。様子見よ、様子見」

クロ「本格的なことはしなくても何かやるって……」
ヒュッ!

幽香「ん?」

クロ「だから、目玉すれすれに日傘の先を突き付けるのはやめろォォ!」

福太郎「クロはこの夏、そんなに暑うないんやろな……。」

すっきー『心臓が止まらなきゃいいっすけどね……。ほんと数ミリでも動いたら目にあたりますよアレ……』


~~


ー夢見長屋近くの畑ー

幽香「んん……思ってたよりは被害はないみたいね」

泥田坊『おんや、幽香様。お久しぶりで……』

幽香「あら、土塊がこんなにもたまってる」

ズバゴォッ!
泥田坊『ギッイャァァ!』

福太郎「幽香さん、今の泥田坊ですよ?」

幽香「あら、気がつかなかったわ。」

クロ「いや、鍬でフルスイングしてふっ飛ばしてる時点でわざとだろ」

泥田坊『し、死なねぇっからてひでぇっぺ……。』

幽香「死なないなら良いじゃない」

クロ「……」

福太郎「なんかいうたらきっと、目玉寸止めされとったね」

クロ「私はすっきーと違って余計なことは言わないんだよ」

幽香「うふふ、あら、手が滑っちゃった」

ズバァァァン!
泥田坊『ギッイャァァ!』

福太郎「生き生きしとるなぁ」

クロ「アレが生身の人間だと思ったら……大惨事だな」

福太郎「凄いなぁ。向こうの端まで泥が吹きとんどるで」

クロ「……」

幽香「ふぅ、軽い運動も終わったし。花壇に飛び込んでいる枝や葉っぱやゴミを取り除いていくわよ。」

ヒュン、ヒュン!

クロ「わかった!わかったから、鍬をフルスイングすんな!!」
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