第禄夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

幽香「なんか中途半端な時間に飲み食いしたせいで本当に目がさえちゃったわね。」

福太郎「どないします?」

幽香「麻雀とかある?」

福太郎「牌はないけど、ゲームならありますよ」

幽香「ゲーム……ゲームのゲーム?」

福太郎「多人数でするゲームをひとりでできるんはええもんですよ。」

幽香「そんなものかしらねぇ。」

福太郎「というか、幽香さん。麻雀は知っとるんですね。」

幽香「麻雀も将棋も知ってるわよ。馬鹿にしてるの?」

福太郎「んっ、いや……クロは麻雀知らんかったし」

クロ「私を妖怪の基準とかにしなくていいから」

幽香「確かに犬を基準にしたらダメよ。低スペックもいいところなんだから」

クロ「ホント、ナチュラルにひとを傷つけるよなお前は」

幽香「ありがとう」

クロ「褒めてねぇよ!」

福太郎「ちなみに麻雀は誰とやるんです?」

幽香「霊夢とかが多いけど、吸血鬼とか悟り妖怪とか」

福太郎「麻雀として成立するん?そのメンツ。超絶の勘に運命操作と心を読むとか」

幽香「ほとんど気合で勝負よ。」

クロ「気合でどうにかなる物なのか……」

福太郎「仲ええんですね。」

幽香「そういうもので勝負しないと……殺し合いになっちゃうでしょ?」

福太郎「なるほど」

クロ「なるほどじゃねぇよ!今、普通に殺気がただ漏れたぞ!」

福太郎「ズズッ……ほんなら、興味本位でもうひとつ質問ええですか?」

幽香「随分と今日は積極的ね。べつにひとつでなくてもいいけどなに?」

福太郎「女性が多いですけどやっぱり百合なん?」

クロ「どんな質問だよ」

幽香「百合だわね。」

クロ「百合なのかよ?!」

福太郎「妖怪同士やから女性同士でも問題ない感じですか?」

幽香「問題ない感じね。」

クロ「普通に淡々と答えるなよ……」

福太郎「霊夢さんハーレム?」

幽香「私はそう見てるわね。」

福太郎「幽香さんも?」

幽香「さぁ、どうかしら」

福太郎「んー、なんとも興味深い話やなぁ」

クロ「何処がだよ……なぁ、どこに興味持った?」

福太郎「百合」

幽香「そういうの好きなの?」

福太郎「んー……普通」

クロ「もう突っこまない……」

幽香「そっちはどうなの?」

福太郎「んー、俺は相手が居らん感じですね。」

幽香「アナタにぶそうだもんね。」

福太郎「んー、かもしれんですね。」

クロ「認めるのかよ?!」

福太郎「ひとの気持って難しいですやん」

幽香「私はそういうのは今日見ない方だけどアナタの方が何考えてるか分からないわ」

福太郎「へ?俺は別にむずかしいこともなんも考えてないですよ」

幽香「……今度、悟り妖怪を突き飛ばしてここに来させてみようかしら……」
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