第禄夜『福太郎の不思議な日常』
ー福太郎の部屋ー
福太郎「ふー……」
あの後、直さんは震える声で
出雲『夜彦をよろしくお願いします…!』
とだけ言って帰っていった大丈夫だろうか。
由乃さんは…
由乃『とっさに助られなくてごめんなさい。次は助けるから』
福太郎『おおきに……せやけど、由乃さんはああいう状況になれんといて欲しいな。まぁ、怪我もないし、ね』
由乃『う、うん…』
今回の件、不安はあるけど諦めたくはないんよな。
ー百鬼襖の部屋ー
福太郎「さてと、夜彦くん。お昼やで」
夜彦『……』
彼は雷獣の姿に戻ってだらりと横になっていた。聞こえているのかいないのか返事はない。
福太郎「おーい」
夜彦『チッ、うるせーな』
福太郎「冷やし中華やでしかもデザート付」
夜彦『なんなんだよお前!なんで世話焼くんだよ!俺のこと気にいらねーんじゃねぇのか!!』
福太郎「……」
夜彦『何見てんだよ!やんのかコラ!!』
福太郎「んっ、別に気にいらんとか思ってへんよ。」
夜彦『は?』
福太郎「俺はただ「誰かを気軽に傷つける」って考え方に怒っただけ。それがなきゃ俺にとって君はただの暇な妖怪さんやしね。さぁ、ご飯やで」
夜彦「……」
~昼食後~
福太郎「少ししたら散歩いこか」
夜彦「はぁ?このクソ暑いのに?やだね!ひとりで行けよ」
福太郎「まぁまぁ、そういわずに。一日中ごろごろしとるんもアレやろ。」
夜彦「……」
ー池袋界隈ー
福太郎「やーー暑いなぁ。夏って感じするなぁ」
夜彦「お前が外行くっつたんだろが!」
福太郎「あはは、あ……こんな暑いとラムネのみたいな。コンビニっと…」
「ぎゃはははっ」
「バカでー」
福太郎「……やけど君と折り合い悪そうな人たちがおるからここで待っといて」
夜彦「いいよ俺があいつらどかせる。」
福太郎「ケンカしたいだけやろ。まぁ、待っといてーな。買ってくるし」
夜彦「ちっ……ん?」
『……んだと』
『コラ…』
福太郎「お待たせーやっぱりラムネはピンクより普通のやよなー……って、居らんし。」
しまった…彼をひとに近づけなければええと思ったんやけど思い違いやった……。何もなかったらええんやけど……。
夜彦「あっ」
福太郎「わっ……はぁ、見つかってよかったぁ…。何かあったらどうしようって……」
夜彦「うるせーな…」
ふと、夜彦の手を見ると拳の部分に血が着いていた。
福太郎「ちょい待って……その傷、まさかケンカ…」
夜彦「した」
福太郎「なんで」
夜彦「雷獣は耳がいいんだ。雷探すからな。お前を待ってる時にケンカしてる音が聞こえたからちょっと顔出してきた。別にお前に迷惑かけてないだろ?」
福太郎「あのな……ひとを傷つけるんはいかんのやって当たり前やけど……そんなんやったらいつか大切な人も傷つけるで」
夜彦「はいはいはい、すみませんでしたね」
福太郎「ちょい、待っ……」
夜彦が角を曲がった瞬間、その姿は消えていた。雷獣は雷の化身、普通に追いかけていては追いつけるはずがないのだ。
福太郎「ふー……」
あの後、直さんは震える声で
出雲『夜彦をよろしくお願いします…!』
とだけ言って帰っていった大丈夫だろうか。
由乃さんは…
由乃『とっさに助られなくてごめんなさい。次は助けるから』
福太郎『おおきに……せやけど、由乃さんはああいう状況になれんといて欲しいな。まぁ、怪我もないし、ね』
由乃『う、うん…』
今回の件、不安はあるけど諦めたくはないんよな。
ー百鬼襖の部屋ー
福太郎「さてと、夜彦くん。お昼やで」
夜彦『……』
彼は雷獣の姿に戻ってだらりと横になっていた。聞こえているのかいないのか返事はない。
福太郎「おーい」
夜彦『チッ、うるせーな』
福太郎「冷やし中華やでしかもデザート付」
夜彦『なんなんだよお前!なんで世話焼くんだよ!俺のこと気にいらねーんじゃねぇのか!!』
福太郎「……」
夜彦『何見てんだよ!やんのかコラ!!』
福太郎「んっ、別に気にいらんとか思ってへんよ。」
夜彦『は?』
福太郎「俺はただ「誰かを気軽に傷つける」って考え方に怒っただけ。それがなきゃ俺にとって君はただの暇な妖怪さんやしね。さぁ、ご飯やで」
夜彦「……」
~昼食後~
福太郎「少ししたら散歩いこか」
夜彦「はぁ?このクソ暑いのに?やだね!ひとりで行けよ」
福太郎「まぁまぁ、そういわずに。一日中ごろごろしとるんもアレやろ。」
夜彦「……」
ー池袋界隈ー
福太郎「やーー暑いなぁ。夏って感じするなぁ」
夜彦「お前が外行くっつたんだろが!」
福太郎「あはは、あ……こんな暑いとラムネのみたいな。コンビニっと…」
「ぎゃはははっ」
「バカでー」
福太郎「……やけど君と折り合い悪そうな人たちがおるからここで待っといて」
夜彦「いいよ俺があいつらどかせる。」
福太郎「ケンカしたいだけやろ。まぁ、待っといてーな。買ってくるし」
夜彦「ちっ……ん?」
『……んだと』
『コラ…』
福太郎「お待たせーやっぱりラムネはピンクより普通のやよなー……って、居らんし。」
しまった…彼をひとに近づけなければええと思ったんやけど思い違いやった……。何もなかったらええんやけど……。
夜彦「あっ」
福太郎「わっ……はぁ、見つかってよかったぁ…。何かあったらどうしようって……」
夜彦「うるせーな…」
ふと、夜彦の手を見ると拳の部分に血が着いていた。
福太郎「ちょい待って……その傷、まさかケンカ…」
夜彦「した」
福太郎「なんで」
夜彦「雷獣は耳がいいんだ。雷探すからな。お前を待ってる時にケンカしてる音が聞こえたからちょっと顔出してきた。別にお前に迷惑かけてないだろ?」
福太郎「あのな……ひとを傷つけるんはいかんのやって当たり前やけど……そんなんやったらいつか大切な人も傷つけるで」
夜彦「はいはいはい、すみませんでしたね」
福太郎「ちょい、待っ……」
夜彦が角を曲がった瞬間、その姿は消えていた。雷獣は雷の化身、普通に追いかけていては追いつけるはずがないのだ。