第禄夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「……これはアカンな」

クロ「あっちぃ……」

すっきー『あれ、どうかしたんすか?』

福太郎「エアコンさんがお亡くなりになったっぽい」

すっきー『あらまぁ』

クロ「勘弁してくれよ。この部屋でエアコンがないとか無理だぞ」

福太郎「扇風機が…」

クロ「熱風かき回してるだけで単体じゃ役にたたねぇよ」

すっきー『扇風機さんが落ち込みそうっすね。』

福太郎「すっきーは気温変動は関係なしでメリーちゃんは氷ひとつふたつでどうにかなる。燃費悪いんは俺とクロなんやな」

クロ「生きて動いてたらそこそこ燃費はかかるもんだろ」

すっきー『私も動いてないわけじゃないんですけどね』

メリー「私もよ」

福太郎「ってか、クロ。いや、クロさん」

クロ「な、なんだよ」

福太郎「ここはひとつクロさんのお力で雨とか風とか吹かせてもらえまへんゃろか?」

クロ「無理だ。」

福太郎「早いなぁ」

クロ「私は天候を司る神じゃない」

メリー「じやあ、なにをつかさどってるの?」

クロ「……」

福太郎「多分……健康運ちゃうかな。クロ元気やし」

クロ「ちげぇよ!なんだよ、健康運て!」

福太郎「大切なことやん」

すっきー『違うとしたらなんなんスか?』

クロ「いや、まぁ、これといって……なんっーのかなバランス型というか」

福太郎「クロ、健康運で手うっといた方がええって、このままやったら悲しい結末になるで」

クロ「ならねぇよ!なんだよ悲しい結末って!」

福太郎「こう器用貧乏神とか」

クロ「殴るぞ」

福太郎「せやけど……犬神っていうたら正式には神さまやのーて、憑きもの系の霊やろ?」

クロ「犬神じゃなくて大神だ!」

福太郎「……あ、せやったね」

クロ「おい、なんだその素っ気なさは」

福太郎「いつものことですやん」

クロ「ぐうぅぅ!」

メリー「ところで大神って何?大きい神様?」

福太郎「本来の大神は天照大神」

メリー「それって何かジャパンゴッドでナンバーワンクラスの神さまよね」

福太郎「何で急にルー大柴みたいな喋り方になったんかは置いといて、天照大神は伊勢神宮に祭られとるよ」

すっきー『伊勢神宮出神(しゅつしん)なんスか?』

クロ「いや……違うけど…」

福太郎「健康運かな」

メリー「元気神」

すっきー『元気出る大神。』

クロ「だから健康をつかさどってる感じにもっていくな!あと、頼むからエアコンどうにかしてくれ!」

福太郎「んっ、業者に電話したところ早くても三日後やそうや」

クロ「この三日中にどうやって生きろと……」

福太郎「りんねセンセのところいっとく?」

クロ「血なまぐさくて鼻が曲がる」
12/100ページ
スキ