第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「新しい台風ができとるらしいよ」

悠「信用ならんね」

メリー「台風の信用って何?」

悠「心をときめかせられるかどうかだよ」

クロ「意味分からん」

福太郎「台風萌えなん?」

悠「いくらおれでも台風を擬人化して妄想するまではいってないな」

福太郎「どこまでやったらいっとるん?」

悠「木とかが何か人の形に見えたら、エロいポーズをとってる風に想像する程度には」

恋「心か?それとも頭の病気か?」

クロ「両方だろ」

悠「穢れを知らぬ純真な少年だよ」

クロ「息をするようにウソをつくな」

悠「ウソじゃないよー。ボク純粋だよー」

アリス『純粋な変態』

恋「なるほど」

悠「純粋な変態ってなんだ!」

福太郎「紛れもない変態ってことかな」

悠「偽装表示ではない感じか」

クロ「良いようにいうな」

悠「じゃあ、悪いようにいったら尻でもワシづかませてくれるのかよ!」

クロ「意味が分かんねぇよ!」

福太郎「クロのおしりが掴み心地がよさそうという意味かな」

悠「うん!」

クロ「うん!じゃねーし!」

恋「やっぱり純粋な変態ではないか」

悠「ノーパンにそんなこと言われるとは思わなかった」

恋「やかましい!」

悠「怒られたよ?」

福太郎「怒られたな」

メリー「普通に怒ると思うの」

アリス『でも、そういうのが興奮するんでしょ?』

恋「せんわい!」

アリス『ふふっふふふっ』

恋「悠!そいつをどうにかせい!」

悠「どうにかって……ジャーマンツープレックスとかかけるのは無理だぞ」

福太郎「大技やな」

恋「そういう意味じゃない!」

アリス『乱暴されちゃうの?』

恋「そういう意味でもない!」

悠「むしろおれが乱暴される側だけどな……精神的に」

福太郎「常人やったら即死レベルのモノに取り憑かれるんやもんな」

悠「呪怨なんか目じゃねーべ?」

アリス『でもアリスは天上を這いずったり、机の下で体育座りしたりしないもの』

悠「でも、夜中にトイレに起きて扉開けた瞬間、目のまえに立ってたりしてくれちゃってるよな。」

アリス『ひとりで行くの怖いと思って』

悠「トイレ行く前に放出しちゃうだろ!」

クロ「汚い!」

福太郎「でも、実際夜中にトイレ行こうとドア開けて暗がりに少女がたっとったら……怖いわな」

悠「怖いよ」

恋「悪趣味じゃ」

アリス『じゃあ、次からは恋ちゃんにやったげるね』

恋「やめい!」
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